「ハナタラシ」「キツネダラ」‥ 低利用魚を活用 市場への流通目指す 鶴岡市で料理教室
市場に出回ることがまずない低利用魚を調理する料理教室が26日、山形県鶴岡市で初開催されました。気候変動や乱獲などで減少する水産資源を有効活用し持続可能な漁業を目指す取り組みです。
カツレツやパスタ、フリットにムニエル。これら本格的なイタリア料理の食材となっているのは「ハナタラシ」や「キツネダラ」、それに「アブラツノザメ」といった聞きなれない魚です。すべて鶴岡市の鼠ヶ関で水揚げされました。これらの魚は調理に手間がかかることや大きさが揃いにくく出荷しづらいことなどから市場に出回ることがほぼない「低利用魚」と呼ばれています。
こうした低利用魚の活用方法の研究や理解を深める活動をしているのが「ネクストジェネレーションフィッシュ研究会」です。漁業者や調理師、それに加茂水産高校の生徒ら会員26人から成り、ことし5月から鶴岡市で活動しています。
県内の漁獲量は昨年度3783トンと平成以降で過去最低を記録しています。気候変動による漁場の環境変化が一因として上げられています。「研究会」は水産資源の有効活用のため将来、低利用魚が市場に流通することを目指してます。この日は酒田市出身のイタリア料理のシェフ・前田祐二さんを講師に招き、低利用魚を使った料理教室が開かれました。
講師 前田祐二さん「低・未利用魚というが食べたらおいしい魚もいっぱいあるのでただ知られていないだけ、食べ方を知らないだけなのできょうはアブラツノザメをカツレツ風にしていきたいと思う」「昔はアブラツノザメはよく食べられていたということなので低・未利用魚だったわけではないと思う」
普段から店で低利用魚を調理している前田さんはアブラツノザメをカツレツに仕上げます。
また低利用魚の「カスべ」はバターを引いたフライパンで焼いてムニエルにします。今回は5種類の低利用魚を4品のイタリア料理に仕上げました。
試食した研究会メンバー「イタリアンな感じがしながら魚の旨味があっておいしい」「こうやって実際に食べて使えるのがわかっていけばどんどん使いたいと広がっていくのかなときょう改めて思った」
講師 前田祐二さん「地元がもっと低利用魚を使っておいしく食べられるというのをちゃんと実証していくのが課題だと思っている。それを担うのが地元の料理人であったり、地元出身の料理人がちゃんとつなげていかないといけないと思っている」
研究会は今後、低利用魚を水産加工品にも活用していくことにしています。