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なぜ?上山市で空き店舗への出店続く 不動産業者と建築士と行政が連携しサポート

2024年4月22日 18:07
なぜ?上山市で空き店舗への出店続く 不動産業者と建築士と行政が連携しサポート

人口の減少に伴い、山形県内の空き家が急増しています。その数、5万4000戸余り。各自治体が対応に頭を悩ませる中、上山市でいま、空き店舗への出店が続いています。なぜ上山が選ばれるのかー。その背景を探りました。

〝空き家〟ー。山形県内にはいったいどれだけあるのでしょうか…。総務省によりますと、その数は5万4200戸。2018年までの5年間で増加率は2割近くに上り、およそ10戸に1戸は空き家という現状です。
建物が風化し、倒壊する危険や景観への影響などが指摘され、各自治体は対応に頭を悩ませています。
こうした空き家を活用し、街のにぎわいを取り戻したいー。そんな願いをかなえるための動きを加速させている注目エリアが、ここ、上山市です。
急ピッチで改装工事が進むこの建物はかつて、一般の住宅でした。健康食材を販売する店舗として〝生まれ変わる〟予定です。
空き家を活用した出店は、上山市のランドマーク、「上山城」を中心に半径およそ300メートル以内で相次いでいます。
去年までの4年間でその数は10件に上っています。
2020年に、上山城の近くにオープンした文房具店。

青山友紀アナウンサー「ポンと入ったら、ここだけタイムカプセルの中に入ってしまったような。博物館のようなテイストがあって」

店主が選んだレトロな文房具やかわいいキャラクターの文房具のほか、「のり」のパッケージをモチーフにした「はちみつ」などユニークな商品もあります。

おかげさま文房具店・土屋稚さん「親子で来てくれる方も多くて、私くらいの世代の方は、お父さん、お母さんと来て、お父さん、お母さんは懐かしいと言っていて、私くらいの年ごろの方は、逆に新しいみたいで、親子で話が弾んでいて、聞いていて楽しい」
かみのやま温泉駅の近くにはスイーツ店がオープンー。
市内のだんごの老舗が、出来たてのだんごとアジアンスイーツを楽しめるお店として去年3月に立ち上げました。

東家菓・高橋寛光さん「母体がだんご屋だったので、だんご以外にもお米をPRできる商品を作ってみたいと思って。うちのだんごの技術とアジアのお菓子を合わせたらいいお菓子ができるんじゃないかと思って」

上山市内では2021年3月現在、485戸の空き家が確認され、特に中心市街地の空洞化が問題となっていました。空き家への出店をサポートしているのが、「かみのやまランドバンク」。空き家対策に官民連携して取り組むために設立されたNPO法人です。

かみのやまランドバンク・渡辺秀賢理事長「空き家の数が上山市全体で500近くあって、その約15%が我々が活動している街中にあって、年々、人口減少もあって増えている状態。改善したいと思って活動している」

空き家を知る不動産業者、改装などを担う建築士、そして、補助金制度などを紹介する行政(市)の3者が連携。出店の相談からその後の経営支援まで、切れ目なくサポートするのが最大の売りです。

かみのやまランドバンク・渡辺秀賢理事長「我々に頼めば、開店するまで全部やれる。あとは、出店までランドバンクのメンバーも汗をかきながらともに作っていくことを大事に今もやっている」

空き家活用で出店した文房具店やスイーツ店はともに人気が高まっていて、出店希望者が集まってくることにも効果が出ているといいます。

渡辺理事長「上山のちょっとした噂というか、なんかわくわく、明るい雰囲気になってきたこともあり、移住だったり、市外から通ってくれたりしながら出店してくれている」

上山市内では今年度も新たに4件、空き家活用による出店が予定されています。
温泉街の一角で改装が進む建物がありました。元々、住宅と精肉店を兼ねた建物でしたが、お好み焼き店に生まれ変わります。
出店するのは、斎藤智英さん(39)。山形市内でお好み焼き店を営んでいましたが、地元・上山への移転を決意しました。

斎藤智英さん「私と妻が上山生まれ、上山育ちなもので、地元密着で、ここに来て、地元の皆さんと携わりながらやれたらという思いで、こちらに来た。立地としては、観光客だったり、地域の働く方々と携われる場所なので、非常に温かい場所だと思って、飲食店として進んでいける場所だと思う」

一方、温泉街の入り口付近で改装が進む建物です。八百屋を兼ねた住宅を改装し、日中はカフェ、夜は日本酒を立ち飲みで楽しめるバーをオープンする予定です。
店主は米沢市に住む佐藤健さん(35)。地元でカフェを営んでいますが、上山にも出店することにしました。入り口の引き戸が全て開くことが気に入ったそうです。

佐藤健さん「この広さがあって引き戸が全部開くから入りやすいし、いいところを見つけた。

かみのやまランドバンクによる支援も出店の決め手になりました。

佐藤健さん「出店にあたり行政と民間のつなぎの部分で、ランドバンクが真ん中に入ってつないでくれて動いてくれるので、僕らとしてはやりやすい」

渡辺理事長「今後、出店した方には長く続けてもらいたい。そのためには、上山市の方々の意識、これをもっともっと、街の中に遊びに行きたいという雰囲気にさせてくれるような街づくりを一緒にしていけたら」

温泉街の一角と、温泉街の入り口付近ー。空き家からの改装が急ピッチで進む2つの店舗は、5月上旬と下旬にそれぞれオープンを予定しています。

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