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山形県内もコメ品薄 卸売業者「精米歩合が悪いのが要因の一つ」 9月中旬に回復か

2024年8月30日 18:21
山形県内もコメ品薄 卸売業者「精米歩合が悪いのが要因の一つ」 9月中旬に回復か

山形県内をはじめ全国で今コメの品薄状態が続いています。この品薄状態はいつまで続くのか。そしてどうして品薄になっているのか。対応に追われる県内のスーパーとコメの卸業者を取材しました。

寒河江市の「フードセンターたかき元町店」です。30日、県産米を取り扱うコーナーにはコメがほとんど並んでいませんでした。

フードセンターたかき元町店 沖田 智 店長「6月ころから徐々に品薄傾向が見られ始め、今はとてもコメ不足が深刻な状況。多くのお客様に必要な量を買ってほしいということで1家族1袋までとお願いしている」

このスーパーによりますと去年の大雨や高温による不作や、インバウンドによる和食需要の高まりなどから、全国的にコメ不足の傾向が続いています。このスーパーでも午前10時の開店とともに買い物客が次々とコメを買い求めていました。

買い物客「まだ少しはあるが2週間もしたらどっちみち無くなるから毎日早く来ているがきのうも何もなかった。政府で備蓄米を早く出したらいい」
買い物客「コメが売ってないと感じるのは2週間くらい前からかな。しょうがいないのかなと思っている。いろいろ災害もあるしここに来る前ももう1か所まわってきたが無かった全然」
小坂憲央アナウンサー「開店から10分もたたないうちに並んでいたわずかなコメはすべて売り切れました。きょうこの後の入荷は無いということです」

このスーパーには、コメがいつ入るかについての問い合わせが1日数件あるといいます。コメが買えなかった客は代わりにレトルトご飯を買うケースが多く普段よりも需要が高まっているということです。

フードセンターたかき元町店 沖 智 店長「必要な分だけ買い求めてもらって新米が出てきたらそれを味わってほしい」

このスーパーによりますと県内では早ければ9月中旬以降に新米の出荷が始まり、下旬にはコメ不足は解消すると予想しています。

一方、県産米をメインに扱う山形市のコメ卸売業者「アスク」です。この会社は、県内外の飲食店など合わせて2400の店が契約しています。
連日、契約店に向け県産米を発送していますが、コメが品薄のために飲食店を優先し、小売店にまで卸せるコメが確保できないといいます。

アスク河合克行社長「穀倉地帯と言われる北陸、東北において、高温障害でコメに影響がありまして。品質が良くない、量が取れないという現象が起きていた」

河合さんはコメ不足の背景は去年収穫したコメが高温障害のため品質が悪化し、精米後の米の流通量が平年を下回ったためだといいます。

アスク河合克行社長「品質が悪いということは精米歩合が悪くなるということ。白米にするときには米ぬかなど1割ほど取り除いて消費者の方々にお渡しする。品質の悪いコメは88%や87%の重さになる。そうすると自ずと精米後2~3%ほどコメの量は少なくなる。そういうことが全国的に起きている」

コメは玄米から精米されると米ぬかなどが取り除かれ、1俵60キロ分ではおよそ54キロまで減るといいます。去年は、精米でコメが欠けるなどして白米の流通量が平年より少なくなったということです。

アスク河合克行社長「全国的なベースで考えると大変な量になってくる。品質がいいということがコメの流通をスムーズにするためにも大事」

一方で、現在は県外産の新米が流通し始めています。そのため慌てて買いだめをする必要はないといいます。この会社は店頭販売もしていて、今は千葉県産の新米のコシヒカリを小売りしています。

お客さん「買いだめとかはしていないけど、そろそろコメがなくなるので」「まずあったからよかった。今どこに行ってもないので」
アスク河合克行社長「一番おいしい状態でお米を食べるという意味でもあと20日待てば山形の新米が出てきますから、安心してお米を食べて頂ければ嬉しい」

この会社は県産の新米を9月20日ごろから順次、販売する予定です。

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