酒田市の住宅の車庫に入り込んだクマ 35時間後に逃げ出す 現場周辺は引き続き警戒
酒田市郊外で3日、住宅の車庫に入り込んだクマが、35時間あまり経過した4日夜、車庫から逃げ出しました。その後、現在までクマの目撃情報はなく、現場周辺で警戒が続いています。
記者リポート「車庫の中に居座っていたクマは、囲われていた板と車庫の屋根の隙間から抜け出して東の方角に走り去り、現在も行方は分かっていません」
酒田市によりますと、3日午前7時20分ごろ、体長およそ1メートルのクマ1頭が酒田市庭田地区で目撃されました。その後、クマは近くの鳥海小学校の敷地に入って体育館と校舎の渡り廊下の壁や窓を足でひっかいてさらに移動を続け、午前10時40分ごろ安田地区の住宅の車庫に侵入しました。車庫の入口は、ワゴン車を横付けして高さ1.8メートルの板で囲いわなが設置されましたが捕獲には至らず、4日夜も、市の職員や警察官が交代で監視を続けていました。
車庫の所有者の男性は「うちから出るなということだから。不安だよ」
ところが、夜10時20分ごろ、突然、動きがありました。
当時、車の中から監視を続けていた市の職員が車庫の中から物音がするのに気づきました。そして、警戒中の警察官に知らせに行ったところ、囲った板と屋根の隙間からクマが抜け出し、住宅の敷地を抜けて東の方角に走り去ったということです。
その後、警察などが警戒に続けていますが、これまでに現場周辺でのクマの新たな目撃情報はありません。
現場近くの鳥海小学校などでは、5日朝も、保護者が児童を車で送るなどの対応を取りました。
保護者「できれば早く、子どもと地域の安全のためにクマがうまく山に帰ってもらえたら」
鳥海小の職員は「子どもたちはいつも休み時間になると外に出て遊んでいた。こんな状態になると外にも出られないしずっと校舎の中にいるのでかわいそうだなって。子どもたちの方がストレスたまっちゃいそうで」
鳥海小などでは、通常の授業を行ったものの体育の授業や休み時間などでの屋外の活動を中止しました。
鳥海小学校・高橋奈緒美校長「もう少し対応が長引くのかなと思い、心配になった。早く捕獲されて安全が確保されるといい」
県内では先週末に新庄市中心部にクマ1頭が出没し、獣医師の撃った麻酔銃によって捕獲される事案が発生しています。酒田市によりますと今回は、クマが居座っていた車庫の内部にドラム缶や荷物などが積み上げられていてその後ろにクマが潜んでいたことからワナに入るまで麻酔銃を使うことが出来なかったということです。市や酒田警察署では、クマを目撃した場合は近寄らずに市や警察に連絡するよう呼びかけています。