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山形県内の記録的大雨から3ヶ月 国道344号規制解除 被災農家は復旧事業費の負担も

2024年10月25日 18:10
山形県内の記録的大雨から3ヶ月 国道344号規制解除 被災農家は復旧事業費の負担も

7月の記録的大雨による災害から3か月が経過しました。全面通行止めとなっていた酒田市と真室川町を結ぶ国道344号が25日から通行できるようになるなど、被災地域では少しずつ復旧も進んでいますが、課題は山積しています。

ドライバーは「ちょうど山を抜けた先にお客様がおりますので1時間半ぐらい遠回りして行っている感じだったので助かります」

酒田市と真室川町を結ぶ国道344号は、7月の記録的大雨による土砂崩れなどで真室川町差首鍋から酒田市の北青沢までのおよそ12キロの区間で全面通行止めが続いていました。
25日までに復旧工事が完了し、北青沢の屋敷代橋ゲートは午前11時に開放され幅2.2メートル未満の一般車両の通り抜けが出来るようになりました。
北青沢の農業・荒生道博さん(66)は栽培している田んぼ3.8へクタールのうちおよそ6割が大雨によって土砂や倒木が流れ込む被害を受けました。

荒生道博さん「ちゃんと証拠。検査証明書。一等米です。どっちも。雪若丸もつや姫も。これだけでも救われました。だからお客さんに対して堂々とお勧めできます。」

土砂や流木でコンバインが入れなかった田んぼも、無事だった稲はボランティアらの力も借りて何とか収穫することができました。量は激減しましたが、収穫出来た「つや姫」や「雪若丸」などいずれも品質は上々でした。
被災から3か月。この日、荒生さん家族はかろうじて収穫できた新米を顧客に届けようと、注文書の発送作業を行っていました。しかし、ことしは大雨による被害の影響だけでなく「物価高騰」の波が重くのしかかっています。

荒生道博さん「段ボールも来月から上がりますとか突然来たりする訳だ。肥料だとか燃料だけでなく資材経費、ばかにならなくて」

一方、同じく大雨による甚大な被害があった大沢地区では今週、被害を受けた農地や用水路など農業施設の災害復旧事業について説明会が開かれました。
この復旧事業は国の激甚災害の指定を受け、酒田市の公共工事として取り組む「公共災」と呼ばれるものです。事業費のおよそ90%が国の補助金によって行われ、酒田市がおよそ9%負担しますが、農家も1%以下の負担を求められます。

生産者荒生道博さん「ダメージを受けて苦しんでいるこの地域の生産者にさらに負担金を求めるのか?面積が大きくて被害が大きい人ほどとんでもない額の負担金になるんだ。1%といいながら。」

復旧事業の費用がいくらかかるのかまだわかっていません。こうした中、農家からは負担する額も決まっていないにもかかわらず、10月末までに事業実施への承諾を求められていると不満の声が上がっています。

生産者相蘇弥さん「実際工事が終わって負担金請求が来たとして、払えるかどうかという所になってくると思う。地域によっては負担ゼロという地域もあったので、どうやってそういうことが出来たんだろうという話にもなる」

暮らしへの大きな被害をもたらした記録的大雨から3か月。自宅などの復旧も道半ばの人たちがまだ多く残っているのが実情です。

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