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記録的大雨からまもなく1か月 山形県内被害の爪痕深く 被災者の生活まだ先行き見通せず

2024年8月23日 18:14
記録的大雨からまもなく1か月 山形県内被害の爪痕深く 被災者の生活まだ先行き見通せず

記録的大雨からまもなく1か月となる中、甚大な被害を受けた山形県内の地域では復旧への歩みが少しずつ進んでいます。しかし、被害の爪痕は依然として被災した人たちの生活に暗い影を落としています。

7月25日。朝から断続的に降り続いた大雨。酒田市東部の八幡地域では荒瀬川が濁流となってあふれ、川沿いの住宅や田畑を飲み込み、国道を寸断しました。

記者リポート「北青沢地区です。上流から押し寄せた大量の土砂が厚く積もりカーブミラーは私の背丈ほどしかありません。あちらの住宅は1階の半分ほどの高さまで土砂で埋まっています」

北青沢地区の小屋渕川沿いの集落では、上流から押し寄せた大量の土砂や流木が埋め尽くしました。

相蘇隆治さん「26日の6時ころかな自衛隊の人から誰かいますかと。大丈夫ですかとか聞かれて冷蔵庫だとかたんすとか足場にして玄関の方へやっと出ました」

被災から3週間後の8月15日。重機による土砂の撤去が始まり、少しずつ集落の元の姿が現れ始めました。

相蘇隆治さん「土砂の量に圧倒されますね。こうなったら元に戻る訳でもないしあと現状を認めてこれから自分の生活を考えていくしかないですね」

最上川沿いの酒田市松山地域。想定を上回る雨の量で、竹田地区では集落内の排水が追いつかず水があふれる内水氾濫が起き、多くの住宅や農業施設が泥水に浸かりました。内水氾濫によって自宅が1メートル近く床上浸水し避難所に身を寄せていた遠田千鶴子さん(77)です。

遠田千鶴子さん「片付けは中のものはほとんどダメだったのできれいさっぱり空です。もうこの年だし終活のつもりで全部なくしました」

被災した世帯用に酒田市が提供した市営住宅への入居を希望し、2度目の抽選で平田地域のアパートに入居できることになりました。

遠田千鶴子さん「何か安心したけどこれから手続きがいっぱいあって一人で出来るかなと。自宅の泥を落とすのはこれから1年かかっても出来ないほど。それがちょっと悩み」

遠田さんが身を寄せていた松嶺コミュニティセンターの避難所は、最後の一人となっていた遠田さんが22日、市営住宅に入ったことを受けて閉鎖されました。
遠田さんの自宅を訪ねると、使えなくなった家具や家電が運び出され、何もなくなった住まいでは床や壁の修理が少しずつ進んでいました。

遠田千鶴子さん(1か月近く経ったが?)「疲れたのひと言です。私の同級生と大工さんが一人だから一人で住めばいいように直してあげるからがっかりしないでと声をかけてもらって何とか立ち直ったんです。うちの土地なのでここを捨てて他に移るということは出来ないんで」

遠田さんは、被災した自宅についておよそ半分ほどの応急修理で済ませ、なるべく早く戻りたいと願っていますが、いつ自宅に戻れるのか見通しは立っていません。

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