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山形県内の記録的大雨1か月 鮭川村の温泉旅館営業再開見通せず 特産のナメコ工場は少しずつ復旧

2024年8月23日 18:04
山形県内の記録的大雨1か月 鮭川村の温泉旅館営業再開見通せず 特産のナメコ工場は少しずつ復旧

山形県鮭川村では記録的大雨で温泉旅館や特産のナメコに大きな被害が出ました。まもなく1か月になる被災現場の現状を取材しました。

ホテル紅葉館元木洋典専務「土砂も流入しているので撤去、清掃など含めれば再開のめどは立たない」

鮭川村の山あいにある羽根沢温泉。3か所ある温泉旅館のうち、「ホテル紅葉館」は7月25日の大雨で裏山にある砂防ダムが決壊し、敷地や建物に大量の土砂が流れ込みました。発生からおよそ1週間が経過した8月2日、旅館では建物に入り込んだ泥のかき出し作業が行われていました。

手伝いに来た人「今は泥がこの固さだから運びやすいが、だんだん水分が無くなってくると 固くなるので今のうちに作業をしたほうがいいかなと」

この旅館では5階に浴場があり、地上から源泉を汲み上げていますが、お湯を送るためのポンプが水没し、使えない状態になりました。

元木専務「コロナも明けてお客さんも動き出して予約もだいぶいただいていたが、1件ずつキャンセルのお願いの電話をした。いやーどれだけかかるのか検討もつかない」

記者リポート「7月の大雨の影響でこちらに堆積していた土砂はおよそ1か月間で乾燥しました。そのほとんどが手付かずの状態で残っている」

23日、再び旅館を訪れると、敷地にはまだ多くの土砂が残されていました。現在も地下水を汲み上げるポンプが使用できず、水が使えない状況が続き、土砂の撤去作業が難航しているといいます。
さらに、裏山にある決壊した砂防ダムには現在も大量の土砂があり、県によりますと、再び土砂崩れが発生する危険性もあるということです。

元木専務「砂防ダムの所の土砂を撤去しない限りは危険が残るので、雨が降るたびに地震がきたときにまた起こる不安はある」

元木さんはこの場所での営業再開を目指したいとする一方、「利用客や従業員の安全を考えると旅館の移転も検討しなければならない」と苦しい胸の内を明かします。

元木専務「この危険が取り除かれない限りはこの場所での再建は厳しい」

来週からは県による土砂の撤去が始まるといいますが、営業再開のめどは立っていません。

熊谷ナメコ生産所熊谷佳之代表「この辺から下が全部水に浸かったので、泥がついたり発生不良があったり、カビが生えてきたり」

大雨の被害は村の特産にも及びました。こちらのナメコ工場では瓶に入ったナメコおよそ1万4千本が水に浸かる被害に遭いました。さらに、ナメコの生育に必要な空調設備も故障しました。

熊谷ナメコ生産所熊谷佳之代表「がんばりますって言ったけど 従業員さんの生活を考えるとやめるしかない。天災ですからどうしようもない・・・」

23日、再び熊谷さんの工場を訪れました。空調が使えない影響でカビが生えたものや形が悪く出荷できないナメコが多くみられました。栽培していた15万本のうち、7割以上の11万本が廃棄しなければならない状態になったといいます。

熊谷代表「通常だとこの部屋は13度から14度ぐらいで管理しているが、発災直後は35度ぐらいまで上がっている」

この工場では、およそ1500万円を投じて空調設備を新しくする決断を下し栽培を続けることを決めました。

熊谷さん「復旧がかなり大幅に進展したなと。クーラーが復旧してナメコを発生させることができるようになったことが一番進歩したこと」

順調に生育が進めばあと10日ほどで大雨の被害後から初めての収穫ができる見込みだといいます。

熊谷代表「うれしいです。明るい兆しが見えた感じがする」

大雨による甚大な被害からまもなく1か月。復旧に向けた動きも少しずつ始まっています。

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