山形県内初の電気で走る路線「三山線」 車両を後世に残そうとクラウドファンディング始まる
かつて山形県寒河江市と西川町を結び、50年前に廃線になった私鉄電車の「三山線」をご存知でしょうか。この「三山線」で実際に使われた車両を修復し後世に残そうと、費用を募るクラウドファンディングが始まりました。
「三山線」は山形交通の前身の「三山電気鉄道」が1926年に開業し、電気で走る県内初の路線となった鉄道です。運転区間は寒河江市の羽前高松駅から西川町の間沢駅までの11.4キロで、駅の数は10に上りました。その後、マイカーの普及などで利用客が減少し、いまから50年前の1974年に廃線となりましたが、およそ半世紀の間、地域住民に親しまれました。
三山電車保存会・古沢勝広会長「車両を支える木の柱が全体的に落ちてしまっている。こちら側はまだある程度持っている」
三山線で実際に使われた車両は現在、西川町の酒造会社の敷地内に保存されています。
しかし、100年近く前の開業当時に作られた木造車両のため、雪の重みで屋根がへこむなど老朽化が進んでいます。
こうした中、地元の有志で作る保存会が、車両の修復し後世に残そうと県内外から広く費用を募るクラウドファンディングを15日からスタートしました。16日は保存会のメンバーや西川町の関係者らが記者会見を開き、車両修復への思いを訴えました。
三山電車保存会・古沢勝広会長「車両の中がロマンがある内装タイムスリップしたような内装なので直ればすごくいいと思うどうしても直したい後世に残したい」
このクラウドファンディングの目標金額は850万円と設定されています。車両のイラストがラベルに描かれた日本酒が返礼品のコースや車両の座席に寄付をした人の名前を記したり、車両の修復作業に参加できたりするものなど寄付額によってさまざまな返礼品のコースが設けられています
三山電車保存会・古沢勝広会長「元々西川町は鉱山・木材霊峰月山・出羽三山の参拝客 それらを運んでいたことを町民に今後も引き継いでいけるような電車であってほしい」
今回のクラウドファンディングの期限は2月29日までで、インターネットか郵送で申し込みができます。期間内に目標の金額を達成できなかった場合は、寄付金は全額返金されるということです。