紅こうじ問題・山形県の相談窓口に問い合わせ相次ぐ 開設当日だけで30件以上、「体調崩した」2件
小林製薬の紅こうじを使用したサプリメントをめぐっては、問題のサプリメントを摂取した人が腎機能の低下や急性腎障害を発症し、4月2日までに山形県内で2人が入院するなど、健康被害が相次いでいます。
そうした中、山形県と山形市によりますと、県内5つの保健所に2日開設された相談窓口に一日だけで合計37件の相談が寄せられたということです。相談件数の保健所別の内訳は、庄内保健所が13件、置賜保健所が10件、山形市保健所が8件、村山保健所が5件、最上保健所が1件でした。
このうち庄内保健所では、問題となっているサプリメントを摂取して体調を崩したという健康被害の相談が2件寄せられたということです。
山形市の山形県立中央病院で腎臓を専門に診療する高橋俊之医師は今回の問題について、「紅こうじ」自体が健康被害を与えるものではないと指摘します。
山形県立中央病院腎臓内科・高橋俊之科長「実際に今までずっと食生活の中で(紅こうじは)使われてきたもの。本当に問題が起きるのであれば、もっと早く腎臓の機能が落ちるなどの副作用は出ていたと思うので、紅こうじそのものが悪さをしたとは思っていない」
厚生労働省によりますと、今回問題となっているサプリメントには、本来は入らない「プベルル酸」という物質が含まれていたことが確認されています。
山形県立中央病院腎臓内科・高橋俊之科長「(プベルル酸は)簡単に言うと抗生物質。プベルル酸はマラリアに対する治療薬として強い効果があるという話があり、それがマラリアだけじゃなく、腎臓に悪影響を及ぼしている可能性はある」
今回の問題では詳しい原因はまだわかっていません。しかし、万が一、同様のケースが今後、発生した場合に備え、高橋医師は日常的に薬を服用したりサプリメントを摂取している習慣がある場合は、いつから飲んだか、どれくらい飲んだかなどを把握しておくことが大切だと話しています。