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【独自解説】年末年始に急増『詐欺&空き巣』「知らない番号からの電話は、こちらから掛けなおす」暴力団組長に“闇バイト”使用者責任で大打撃も?! 家族や自宅を守る“7つの対策”も 専門家が解説

2023年12月21日 19:00
【独自解説】年末年始に急増『詐欺&空き巣』「知らない番号からの電話は、こちらから掛けなおす」暴力団組長に“闇バイト”使用者責任で大打撃も?! 家族や自宅を守る“7つの対策”も 専門家が解説
“特殊詐欺事件”各地で頻繁に発生

 年末・年始は特殊詐欺の警戒が必要だといいます。なぜ年末・年始に特殊詐欺が増えるのでしょうか?その予防策は?また、最近特殊詐欺犯罪で暴力団トップに賠償命令が出たといいます。なぜ賠償命令が出て、今後どんな影響があるのでしょうか?犯罪ジャーナリストの石原行雄氏が解説します。

12月は特殊詐欺の被害が増加

 2022年のデータですが、特殊詐欺について認知件数が1926件・被害額が約46億円と認知件数・金額とも12月が最も多くなっています。

Q.年末は、我々もいろいろ要りようになる時期ですが、“闇バイト”も多くなるのですか?
(犯罪ジャーナリスト 石原行雄氏)
「そうです。関係者に近い筋に取材をしましたが、月末や年末、決算月などは“闇バイト”の応募者が激増するといいます。借金返済や支払いに窮して“闇バイト”などに手を出してしまうのでしょう。そうして、“捨て駒”が増えると犯罪に使おうということになって、件数が増えるのだと思います」

 群馬県警が公開した特殊詐欺事件でのやり取りです。市役所の職員を騙る男が「介護保険料を多く収めているのでお戻しする」と金融機関を聞き出します。その後、金融機関職員を騙る男が「市役所からの介護保険料の払い戻しの依頼を受けている。問題がなければ、あす入金します」などと言った後に「キャッシュカードの確認が取れない。本人確認のために暗証番号を教えてほしい」などと暗証番号を聞き出します。そして「確認が取れない原因はキャッシュカードが古いタイプになっているためで、担当者が自宅に伺います」などと言ってキャッシュカードを奪い、現金を引き出されてしまうというものです。

Q.知らない電話番号からかかってきたら、何度も質問するということも大事ですよね?
(石原氏)
「『お金の話が出たので、こちらからかけ直します』というふうに、こちらから手続きを増やすことで向こうが『面倒くさいから次のターゲットに行こう』となることもあります」

 2019年、親族や役所職員になりすました特殊詐欺で、六代目山口組傘下組織の組員が受け子をあっせんしたとして、逮捕・起訴されました。そして2023年12月5日、六代目山口組トップの篠田建市(司忍)組長に、約2600万円の賠償命令が出ました。暴力団対策法では、指定暴力団の組員が、暴力団の威力を利用して他人の財産を侵害した場合、組織の代表者らは賠償責任を負うとされています。

Q.トップが知らなくても、暴力団対策法でトップに賠償命令が出るのですか?
(石原氏)
「使用者責任がありますから、そこを突かれるということです。そもそも、なぜSNSの“闇バイト”で素人を集めたり“半グレ”ですとか“トクリュウ(匿名・流動型犯罪グループ)”に現場の仕事をアウトソーシングするのかというと、暴力団の人間が直接実行犯として犯罪を行うと、すぐ組長にも手が回りますし、組事務所も家宅捜査を受けます。そこでワンクッション置くことで自分たちに手が及ばないようにしようというのが“闇バイトの構造”なんです。今回、こういう形で賠償命令が出たということは、反社としては大打撃になっていると思います」

 防犯アドバイザーの京師美佳氏によると、「年末年始は自宅を留守にする人が増えるため“計画的に犯行を行うプロ”と、”正月に向け稼ぎたい素人“による空き巣・窃盗事件が増加する」といいます。その犯罪者は、侵入に5分かかるとの7割が諦め、大きな音・明るい光・時間がかかること・人の目を嫌うとのことです。

Q.犯罪者が下見の段階で「音・光・時間・人の目」などで諦めるようにアピールすることが必要なのでしょうか?
(石原氏)
「やはり『手間がかかって、通報されるリスクが高いぞ』と防衛側がアピールすることで侵入を未然に防ぐことになると思います」

年末年始の今からできる空き巣対策ですが、
1.「SNSはすべて事後報告にしておく」旅行中に書き込むと今留守なのがバレます。
2.「留守番電話の応答を“在宅中”に」例えば「ただいま留守にしております」を「ただ今来客中です」などに変更しましょう。
3.「3日以上の不在を目安として、新聞など配達物を止める」ポストに溜まっているのはNGです。
4.「玄関や窓の強化に防犯ステッカーを張り、補助錠や防犯アラームを設置する」“防犯カメラ作動中”などのステッカーは多言語で、アラームは100dB以上の音量のものを使用しましょう。

5.「照明で在宅を装う」防犯タイマーを使って、定期的に明かりがつくようにして、センサーライトも明るいものを使用しましょう。
6.「旅行中は花・植木を片付ける」枯れていると不在中なのが分かってしまいます。日常で目立つ花などで人目を引き付けると良いです。
7.「駐車場に別のものを置く」車がないと留守がばれます。自転車などを置くと在宅を装えます。
また、京師氏は、「空き巣以外にも12月~3月は放火も増加。交換したタイヤや雑誌の束は片づけるべし!」と注意しています。

(「情報ライブミヤネ屋」2023年12月13日放送)

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