ホストクラブでのいわゆる「売掛金」を返済させるために、客の女性に性風俗店を紹介したなどしたとして、人材紹介会社の役員やホストが逮捕された事件で、大阪府警は18日、組織犯罪処罰法違反の疑いで新たに男4人を逮捕するなどしたと発表しました。

　男らは、全国の性風俗店約100店舗に少なくとも100人以上の女性を斡旋し、年間で約4億5000万円の売り上げをあげていたとみられます。

■性風俗店に女性を紹介した犯罪収益を隠匿か

　組織犯罪処罰法違反の疑いで新たに逮捕されたのは、大阪市東成区のエステ経営会社「bello」の代表、井上和紀容疑者（42）ら4人で、別の容疑で逮捕されていた、人材紹介会社「BANDE」の経営者、朴大介容疑者（30）ら3人も再逮捕されました。

　警察によりますと、井上容疑者ら7人は、去年3月中旬から同年10月上旬までの間、性風俗店に女性を紹介した報酬を含む現金約322万8000円を正規の業務による収益であるかのように装い、8回にわたり、自身の金融機関口座に振り込み入金させた疑いがもたれています。

　この事件をめぐっては、大阪府警が1月、ホストクラブの20代の女性客を広島県内の性風俗店に紹介するなどした疑いで、朴容疑者やホストの男（21）ら5人を職業安定法違反の疑いで逮捕していました。

■全国約100の性風俗店に100人以上斡旋か…年間売り上げは約4.5億円 SNS上で報告

　女性は、ホストの男が当時働いていた大阪市北区のホストクラブで、未払い代金のいわゆる「売掛金」が約100万円あり、返済のために性風俗店を紹介されたということです。

　警察は、朴容疑者の人材紹介会社が、女性を全国の性風俗店に紹介し、女性が稼いだ額の1割から2割を会社が店から受け取っていたとみて、捜査を続けていましたが、7人が、SNS上で売り上げ報告や警察の取り締まりへの対策を協議していたことが判明。

　具体的には朴容疑者の人材紹介会社「BANDE」が、井上容疑者のエステ経営会社「bello」に経理などの業務を委託し、どちらかが警察に摘発されても、もう一つの会社が性風俗店から集金作業を行うことなどが決められていたということです。

　7人は30人ほどのスカウトを使って、全国の性風俗店約100店舗に少なくとも100人以上の女性を斡旋し、年間で約4億5000万円の売り上げを稼いでいたと警察はみています。

　警察の調べに対し、容疑者らは「弁護士と相談します」と話しているということで、金の流れや組織の実態解明を進めています。