「スーパーにコメがない！」いま各地でコメの品薄が深刻になり”令和の米騒動”ともいわれる事態に。いったい何があったのでしょうか。緊急取材しました。

　日々の食卓に欠かせない日本の「主食」コメ、ですが……

　山口杏奈記者
　「こちらのスーパーでは個数制限を設けてお米を販売していますが、陳列棚は空っぽです」

　スーパーに米がな～～い！"令和の米騒動"ともいえる深刻な事態に陥っています。

　フレッシュマーケット・アオイ　内田寿仁社長
　「今年の春ぐらいから品薄状態が続いている。こんなにまったくなくなってしまう事態が起こるとは思っていませんでした」

　去年の猛暑による不作などもあり、全国的にコメ不足が拡大。売り場には立ち尽くす人の姿も。

　そんな中、取材中に偶然にも5キロの米が入荷。しかし、その数わずか6袋！

　熾烈な争奪戦が……。

　コメを購入した客
　「7件目でやっと見つけた。10キロは全くない5キロはあったら珍しい。大体1キロとか2キロとか……」

　残りわずか。すると、こちらの女性、1人1袋までのはずですが……２袋をかかえてレジへ。
　
　コメを購入した客
　「1個だけ！？そうなんや」

　すぐにレジで止められてしまいました。

　コメを購入した客
　「2個買おうと思ったらあかんかった。米がなかったら困ります。買えてよかった」

　入荷した6袋は瞬く間に完売しました。

　コメ不足による“米騒動”は過去にも……。

　1993年（平成5年）には、冷夏や長雨などの影響で、国産米が記録的な不足となり“平成の米騒動”と呼ばれるほどのコメ不足に陥りました。

　政府はタイなどからコメを急きょ緊急輸入するも、日本になじみの薄い、細長いカタチのタイ米は敬遠され、国産米を求めて行列ができるなど、翌年にわたって混乱が続きました。

　大阪市内の米穀店には、米を求める人の姿がー。

　コメを購入した客
　「東大阪のほうにお米が全然ないんですって。それでお米を買ってきてって頼まれたの。友達が『ないないない』と言い出して。『どこかでお米を買って』って言いだして、近くにお米屋さんあるよって」

　Q:お米は買えた？
　コメを購入した客
　「買えました、買えました。5キロ頼まれていたので」

　深刻なコメ不足に店の人は不安を募らせています。

　こめまつ南野米穀　南野十八さん
　「商品が少ない、去年の不作の影響で。前もって前もって余分に（在庫を）抱えていたけど、南海トラフの注意報もあって一気に在庫がなくなってしまった」

　先日まで出ていた南海トラフ地震の臨時情報。巨大地震への注意呼びかけの期間はいつもの10倍以上の問い合わせが。

　お盆休み返上で対応に追われ、今の在庫は普段の1割ほどに。今後のコメの入荷はどうなるのでしょうか。

　こめまつ南野米穀　南野さん
　「もう新米を待つばかりですよ。8月のはじめから鹿児島、佐賀、徳島の順番に(全国から)入ってきます」

　これから新米が販売される時期になるため、コメの品薄も徐々に解消されていくと言いますが素直に喜べない事情も。

　こめまつ南野米穀　南野さん
　「（仕入れ値が）高くなって入ってくるんじゃないかと心配している」

　コメ不足で、こんなところにも不安が広がります。

　大阪府茨木市で、月に1回開かれるこども食堂。夏休み中の子どもたちのために、20日はカレーライス100食を、大人100円、子ども50円で提供していました。

　使われるお米は、地元の農家から譲り受けた古米です。

　子民家よってこ食堂　下田平敬子さん
　「お米は今までいただいてばっかりなので、それがいただけなくなったら購入するとなると予算の面もあるし、いまお店にもないのでどうなるのか不安があります」

　コメ不足とともに、懸念されているのが品質低下です。コシヒカリの産地・富山県では、1等米の比率が50％と、過去最低の水準になりました。富山県によると、穂が出てから20日間の平均気温が概ね27℃を超えると、コメが白く濁りやすくなり、品質に影響が出るということです。

　今年のコメの出来はどうなのでしょうか。20日、近江米「ハナエチゼン」の初出荷が行われた滋賀県高島市では―。

　JAレーク滋賀　早川賢さん
　「（今年は）去年と同様に猛暑であったということでございまして、 去年、農家さんについてはその猛暑を経験していますので、 今年については水管理、栽培管理を徹底されたということで、良いお米に仕上がったと思っています」

　早場米の「ハナエチゼン」は30トンが収穫され、検査の結果、すべて1等に格付けされました。今週中にも京阪神のスーパーなどに並ぶということです。

　秋の訪れとともに“令和の米騒動”は落ち着きを見せてくれるのでしょうか。