大阪府警は6日、去年1年間に把握した特殊詐欺の件数が2658件、被害金額は約68億8200万円と初めて60億円を超え、ともに過去最多だったと発表しました。いずれも暫定値で、件数は過去最多をわずかに下回る可能性があるということですが、被害は深刻化しています。

　大阪府警によりますと、特殊詐欺の件数は過去最多だった前年に比べて2件の増加にとどまりましたが、被害金額は前年に比べ74％増加していて、特にオレオレ詐欺の被害金額は約29億4100万円と、前年に比べ5倍近くも増えています。近年は自宅に現金やキャッシュカードを受け取りに行く「対面型」が減り、電話やメールなどでATМやインターネット口座からの振り込みを指示する「非対面型」の特殊詐欺が増えていて、1件あたりの被害金額も大きくなっているということです。

　刑法犯全体は8万1403件と前年から1.6％増え、3年連続で増加しました。新型コロナウイルスの影響で減少していた件数は、コロナ禍前の2019年（8万4672件）の水準に近づいてきていますが、件数自体は2001年（32万7262件）をピークに減少傾向にあるということです。

　2023年7月施行の改正刑法で性犯罪の規定が見直された「不同意性交罪」の認知件数は388件、検挙件数は273件と、ともに3割前後増えました。同意のない性暴力などに罪が適用されるようになった影響とみられています。