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【年金密着】「ウルトラマン」出演女優“THE美川隊員”「何にも年金のことなんて考えてないです」 華やかに見える芸能界“厳しい実情”老後の保障は不安と背中合わせ

2024年4月18日 16:00
【年金密着】「ウルトラマン」出演女優“THE美川隊員”「何にも年金のことなんて考えてないです」 華やかに見える芸能界“厳しい実情”老後の保障は不安と背中合わせ
ウルトラマンA(エース)美川隊員役の西恵子さん

 「年金制度の改正」についての議論も始まる中、4月15日月曜日は、今年度初の「年金支給日」でした。今回は、元日活女優が語る、その“年金ライフ”を取材しました。

あの特撮ヒロインの年金は国民年金の倍額!?

 東京・佃、下町風情が残るウォーターフロント。「令和」と「昭和」2つの時代が同居する街で、“特撮界の金字塔”ウルトラマンシリーズのヒロインは「年金生活」を送っているといいます。リポーターが自宅を訪問すると出てきたのは…

(ミヤネ屋・中山リポーター)
「わ~美川隊員ですね」

 1972年、芸能界に入ってわずか4年で「ウルトラマンA(エース)」出演のチャンスをつかんだ西恵子さん75歳です。通されたのは瀟洒なマンションの一室。

 西さんは、「いつも走ってた。弾着でドンパチ、ドンパチでしょ。怖い怖い、もう。はじめ3か月は必死でしたね」と当時を振り返ります。Aと共に戦うTAC(タック)の女性隊員という重要な役に抜擢された西さんは、体当たりの演技で一躍スターの仲間入りを果たしました。自宅には、実物大「ウルトラマンAのマスク」や「TACガン」など、貴重な「ウルトラマンA」グッズがたくさん飾ってあります。

Q. いきなりですが、「年金」はおいくらですか?
(西恵子さん)
「支給額が25万5956円、2か月分ですからね1ヶ月にすると、12万5~6000円というとこですかね?」

令和5年度の国民年金支給額は、68歳以上で6万6000円ほどのはず。西さんはなぜ倍近くも貰えているのでしょうか?

Q.女優になられたのはおいくつの時です?
(西さん)
「19歳。日活株式会社で」

 実は西さん、まずは映画会社「日活」に就職して、その後女優としてデビューしました。

Q:日活に所属している時は会社員扱いですか?
「そうなの。だから正社員扱いって言う事で、基本給プラス出演料があったんですけど、基本給から厚生年金が引かれていたの」

戦後の高度成長期、“日本映画界”華やかなりし頃、俳優たちは映画会社に就職し会社員の身分のまま映画スターや人気歌手として活躍する…そんな時代がありました。しかし、西さんは わずか2年で「日活」を退社。その後、芸能事務所に所属して約10年間活躍しました。

Q.その頃の「年金保険料」はどうしていたのですか?
(西さん)
「何にも考えてないです年金の事なんて。金が入っちゃ車買ったりね、海外旅行に行ったりとかもう好き放題やっていましたから。会社を辞めちゃえば当然国民年金の用紙が送られてくるじゃない。母が偶然払ってくれていたんですね」

将来のことなどまだまだ考えられない娘のために、代わりに「国民年金保険料」を納付する。それも10年間!これぞ“母の愛”です。

結婚を機に引退 しかしそこに待っていたのは…

 その後、29歳で結婚。西さんはスパッと芸能界を引退しました。その理由は、女優になる前からの夢だった「喫茶店」を夫婦で開業するため。場所は銀座の一等地。「TAC・美川隊員」から喫茶店のママへ“華麗なる転身”かと思われたが、夫が過労でダウン!治療費と開店資金などで膨らんだ借金はなんと7000万円といいます。

 息子さん、そしてファンの支えで西さんはなんとか喫茶店を継続します。その後、回復した夫と共に懸命に働いて借金を完済したといいます。その苦しい日々の中で、妻の老後を考えて夫は喫茶店を「株式会社」化。30年以上「厚生年金」を支払い続けてくれていました。

(西さん)
「全部で何年くらい厚生年金払ったのかなぁ、35年くらいは払ったのかな?」

 いま、西さんと夫と2人の年金を合わせると、1か月の「生活費」は約25万円。十分なようにも思えますが…

Q. 月にかかる固定費っていうのはどれくらいかかるんですか?
(西さん)
「12万ぐらいですかね。ちょうど一人分ですよ」

 西さん夫婦の家計の内訳は、マンションの「修繕積立金」と「管理費」で約9万円。オール電化住宅のため電気代が高く約3万円。残り13万円で2人の生活費、全てを賄っているといいます。

(西さん)
「ちょっと買い物したいなと思うと、何か本当に切り崩さないと無理ですよね。あと食べるだけ」

 それでも厚生年金があるだけ他の芸能人仲間よりは恵まれているといいます。

Q.俳優仲間で年金に関して皆さんどうですか?
(西さん)
「苦労していますよ、皆さん。俳優さんでも、今はドラマとか少なくなってきて、活躍する場が少なくなってきた方もいっぱいいらっしゃると思うのね。国民年金で大変だろうなって思います」

 華やかに見える芸能界。しかし、老後の保障という面では不安と背中合わせです。そんな“厳しい実情”が見えた取材となりました。


(「情報ライブミヤネ屋」2024年4月17日放送)

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