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【速報】10歳未満男児の心臓病手術で医療過誤 誤って頭に空気入り重度の脳障害 自力での歩行困難に「医師が認識していれば回避できた」兵庫県立こども病院

2024年7月25日 15:11
【速報】10歳未満男児の心臓病手術で医療過誤 誤って頭に空気入り重度の脳障害 自力での歩行困難に「医師が認識していれば回避できた」兵庫県立こども病院
兵庫県の会見

 兵庫県立こども病院は、2023年5月に行われた10歳未満の男の子の心臓病の手術で、誤って頭部に空気が流れ込み、重度の脳障害を負う医療過誤があったと発表しました。

 病院によりますと、神戸市内に住む10歳未満の男の子は2023年5月、使える心室が1つしかない心臓病に対して行われる「開窓フォンタン手術」を受け、血管と肺動脈をつなぐ際に、心臓内に空気が入り込み、血管を通じて頭部に空気が流れ込みました。これにより、脳内で空気が栓となって酸素の供給が一時的に止まり、脳の機能に影響が出ました。

■男児は自力での歩行が困難になるなど重度の脳障害

 手術終了後、男児には全身がけいれん発作が起き、処置を行ったものの、言葉を発することができなくなったほか、自力での歩行が困難になるなど重度の脳障害が残り、車いすでの生活を余儀なくされているということです。

 執刀した医師らは早期に気づけなかった原因として「他の防ぐべき合併症に気をとられていて、空気の流入に気づけなかった」と話しているということです。

■有識者の検証で「医師らが認識していれば回避できた」と指摘

 外部の有識者を交えた「医療事故調査委員会」の検証の結果、手術時に心臓に空気が混入したことによる脳空気塞栓で、空気が入りこむ可能性があることを医師らが認識していれば回避できたにもかかわらず、手術前に想定できておらず、早期の発見と十分な空気の除去ができなかったということです。

 飯島一誠病院長は25日の会見で、「安全な医療を提供する中で、このような事故が起きたことに、患者やご家族のみなさまに改めて深くお詫び申し上げるとともに、県民の皆様にも心配をかけ、お詫び申し上げます」と謝罪し、再発防止に取り組むとコメントしています。

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