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【速報】6年前の大阪・羽曳野殺人事件 無罪主張の被告に検察が懲役20年求刑 遺族が法廷で涙の訴え「直接証拠なく逃げ切れると考えている、絶対許せない」

2024年8月28日 10:33
【速報】6年前の大阪・羽曳野殺人事件 無罪主張の被告に検察が懲役20年求刑 遺族が法廷で涙の訴え「直接証拠なく逃げ切れると考えている、絶対許せない」
山本孝被告

 6年前、大阪府羽曳野市の路上で男性を殺害した罪に問われている男の裁判員裁判で、28日、一貫して無罪を主張している男に対し、男性の遺族が法廷で「直接証拠がないから逃げ切れると考えている被告人を絶対許せない」と涙ながらに訴えました。検察側は被告に対し、懲役20年を求刑しました。

■4年にわたる捜査の末の逮捕 検察「被告以外にトラブルなし」

 山本孝被告(48)は2018年2月、羽曳野市の路上で、会社員の崔喬可さん(当時64)の背中を刃物で刺し殺害した罪に問われています。

 山本被告と崔さんの知人女性は家が隣接し、事件前に植木が道路にはみ出していたことなどでトラブルになっており、事件があった時間帯に現場付近の防犯カメラの映像に山本被告に似た人物が映っていたことなどから、警察は約4年にわたる捜査の末、2022年2月、山本被告を逮捕しました。

 犯行を示す直接的な証拠がない中、今年6月から始まった裁判で検察側は、「犯人と被告の身体的な特徴が合致し、着衣も矛盾はなく、被告との関係以外にトラブルはなかった」と指摘しています。

■「私はやっていません」被告は一貫して無罪を主張

 一方の山本被告は「私はやっていません」と一貫して無罪を主張。弁護側も「山本被告は無関係で無実。被告と犯行を結び付ける証拠はなく、検察の立証構造は破綻している」と主張しています。

 山本被告は16日、勾留されている大阪拘置所で読売テレビの面会に応じ、「判決次第で人生が変わると思ったら怖い。毎回裁判は緊張して胃が痛い。伝えたいことは『私はやっていません』と、それだけです」と訴えていました。

■死亡男性の長男は法廷で涙「本当の反省をしてほしい」

 27日の意見陳述で、法廷に立った崔さんの長男は、「父は頼りがいのあるやさしい人でしたが悪夢のような日が突然来ました」と語った上で、無罪を主張する山本被告に対し、「一切の反省をせず、直接証拠がないから逃げ切れると考えている被告人を絶対許せない。罪を最大限つぐなって本当の反省をしてほしい」と涙ながらに訴えました。

 検察側は改めて「犯行は被告人によるもの」とした上で、「強い殺意に基づく、危険性の高い犯行であるという点で悪質さが際立っている。被害者に対する恨みを一方的に募らせ、殺害を決意した意思決定は強い非難が妥当」として、懲役20年を求刑しました。

 一方の弁護側は、「捜査は不十分だった。一つも裏付けとなる証拠がない」と改めて主張。最後に意見を求められた山本被告は、「私はやっていません」と2回繰り返した上、「裁判員、裁判官の皆様、よろしくお願い致します」と話し、結審しました。

 判決は、9月27日に言い渡されます。

読売テレビのニュース