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“紀州のドン・ファン”元妻、別の詐欺事件で実刑判決…殺害事件は12日に初公判

2024年9月2日 20:48
“紀州のドン・ファン”元妻、別の詐欺事件で実刑判決…殺害事件は12日に初公判

“紀州のドン・ファン”と呼ばれた会社社長の野崎幸助さんを殺害したとして起訴された、元妻の須藤早貴被告。2日、別の男性への詐欺罪に問われた裁判で懲役3年6か月の実刑判決が言い渡されました。来週12日からは野崎さんを殺害した罪についての裁判員裁判が始まります。

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この事件が起きた当時、須藤被告は19歳でしたが、来週から始まる殺人という重大事件の被告であることなどを考慮し、実名で報道します。

2018年5月、“紀州のドン・ファン”こと資産家の野崎幸助さん(当時77)が急性覚醒剤中毒により亡くなった事件。野崎さんを殺害したなどの罪で逮捕・起訴されたのが55歳年下の元妻、須藤早貴被告です。

野崎さんに覚醒剤を摂取させた方法は、料理などに混入させたとみられていますが、摂取させたことを裏付ける直接的な証拠は今のところ見つかっておらず、事件への関与を否定。逮捕後も黙秘を貫いています。

事件から6年あまり。初公判を9月12日に控えるなか、2日、須藤被告を巡る“もう1つの裁判”の判決の日を迎えました。野崎さんが亡くなる3年前、当時未成年だった須藤被告が“別の男性”に対して起こしたとされる「詐欺事件」です。

10年前、札幌市内の美容学校に入学した須藤被告。その在学中、勤務していたキャバクラで出会った当時61歳の男性に、あわせて現金約2980万円を振り込ませたとみられ、入金後は海外旅行の予約を入れていたといいます。

5月の初公判では、須藤被告は金銭を受け取ったことを認めたうえで…

須藤被告(初公判)
「たしかに金を受け取りウソもつきましたが、相手はそれをわかっていて、私の体をもてあそぶために(金銭を)渡したと思っています」

“ウソ”を認めた一方、男性とは“愛人関係”にあり、“ウソだと認識したうえで、お金を払っていた”と主張。これに対し、被害男性は…

被害男性(第2回公判)
「ウソだと分かっていたら(金銭は)払わなかった」

一方、弁護側は…

弁護側(初公判)
「ホステスだった被告と性的接触や心理的支配感を得ようと、金を振り込んだ」

双方の主張が対立するなか、検察側は4年6か月を求刑。

須藤被告(ことし7月、論告求刑公判)
「被害者の証言は一部ウソをついています。裁判官はそのことを見落とすことなく判決を下してほしいと思います」

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そして迎えた2日の判決公判。黒のノースリーブに黒のロングスカート、マスクをつけて法廷に立った須藤被告は、やや痩せている印象ながら、歩く姿は堂々としていました。言い渡された判決は…

裁判長
「判決、被告人を懲役3年6か月に処する」


だまされていたとされる被害男性の供述は信用できるとし、懲役3年6か月の実刑判決を言い渡しました。その際も須藤被告は微動だにしなかったといいます。

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野崎さんが死亡した事件から6年。来週12日には殺人などの罪に問われている事件の裁判員裁判の初公判が開かれる予定となっています。