【速報】砲弾が演習場の外に着弾か 陸上自衛隊が訓練で発射した1発が不明 600人態勢で捜索へ 滋賀・饗庭野演習場
滋賀県高島市にある饗庭野演習場で、3日午後に陸上自衛隊が訓練中に発射した砲弾のうち1発が目標地点を外れ、落下場所が確認できなくなっていることが、4日、わかりました。陸自は、演習場の外に落下した可能性があるとして捜索しています。
陸上自衛隊によりますと、3日午後2時40分ごろ、饗庭野演習場で訓練中に発射した185発の砲弾のうち1発が目標地点を外れました。陸自が訓練後に点検したところ、燃焼させて爆発で弾を飛ばす装薬が1つ不足していることがわかり、録画していた映像で状況を確認したところ、本来は装薬が1つのところを2つ使用していたため、弾が想定以上の距離を飛び、場外に着弾した可能性があることがわかったということです。
見つかっていない弾は、射程距離が20キロ以上ある「155ミリりゅう弾」と呼ばれる砲弾で、着弾時に鉄の破片が飛び散る効果があるもので、地面に着弾するまでは破裂しない仕組みになっていますが、今のところ破裂したかどうかはわかっていません。
陸自は、弾の初速や角度を算出し、どの辺りに弾があるかを予測して現在230人態勢で捜索しています。さらに、午後3時ごろからは、620人態勢に増員するとしています。
近くに人家はなく、これまでにケガ人など被害に関する情報は入っていないということです。
饗庭野演習場では、2021年6月に、120ミリ迫撃砲の射撃訓練実施中に場外に1発が着弾する事故が起きているほか、2018年11月には、81ミリ迫撃砲の射撃訓練実施中に場外に1発が着弾し、民間の車両が破損する事故が起きています。
■滋賀県・三日月知事「このような事案が発生したことは、極めて重大かつ遺憾」
陸自から報告を受けた滋賀県の三日月大造知事は、「これまでから徹底した安全対策を講じるように強く要請してきたにもかかわらず、このような事案が発生したことは、極めて重大かつ遺憾。本事案について、改めて関係者に厳重に抗議するとともに、速やかな原因究明と再発防止に向けた具体的な対策を講じるよう防衛省に強く要請してまいりたい」としています。