×

和歌山・白浜は観光に大打撃 政府に支援要請へ 5億円近い損害も「安心して来てもらえる対策が重要」

2024年8月15日 19:10
和歌山・白浜は観光に大打撃 政府に支援要請へ 5億円近い損害も「安心して来てもらえる対策が重要」

 楠下一輝記者
「先週の地震を受け閉鎖していた白良浜海水浴場ですが、きょう再開されまして多くの観光客が戻ってきました」

 白良浜では15日、海水浴を楽しむ人たちの姿が約1週間ぶりに見られました。
 先週、お盆の観光シーズンを前に発生した宮崎県の日向灘を震源とするマグニチュード7.1の地震。

 気象庁
「南海トラフ地震臨時情報『巨大地震注意』を発表しております」

 気象庁が初めて南海トラフ地震の臨時情報「巨大地震注意」を発表し、注意を呼びかけてから15日で1週間です。

 林官房長官
「このまま地震活動や地殻変動に特段の変化が観測されなければ、 15日17時をもって、政府としての特別な注意の呼び掛けは終了する予定でございます」

 臨時情報を受け、町内4つの海水浴場を閉鎖していた和歌山県白浜町では、ライフセーバーや警備員が避難経路や誘導方法を再確認するなどしたうえで15日、再開しました。

 東京からの観光客
「15日熊野古道の方まで行こうと思っていたが、滞在中に解禁になったので予定変更して海に。子どもがやっぱり入りたいと思うので」
 
 記者
「海にきょう入れるけどどう?」
 子ども
「楽しみ」

 奈良からの観光客
「ずっと待ってましたこの日を。事前にどこに逃げようというのは確認してから来ています。とにかく子どもを抱えて走ろうと思ってますけど、そのとき、冷静に動きたいと思っています」

 少しずつにぎわいが戻ってきた観光地・白浜。一方で、周辺の観光業には大きな影響を与えました。

 おみやげ・喫茶店「望洋」真鍋由紀子さん
「かなり戻ってると思うけど、まだ普段の年のお盆の状態ではないですね。一番かき入れ時のお盆のピークにかかってしまって、残念ですけど、でも自然のことやし、仕方ないですよね」

 また、町内のホテルはキャンセルが相次ぎ、1000万円以上の損害が出ました。

 ホテルシーモア・林英紀総支配人
「9~15日で500件ぐらいのキャンセルが出ている。夏の一番の最盛期にあたるので、ホテルとしては影響が大きい」

 ただ、今回の地震は改めて災害への意識が高まるきっかけになったともいいます。

 林総支配人
「本当に地震が起きたとき、どう行動できるか。やっぱりそういう地域と認識できた。お客様が安心して、白浜に来たいと思ってもらえる体制づくりが重要」

 観光シーズンを直撃した地震の余波。経済への影響は甚大で、白浜町は、観光客を呼び込むための旅行支援など、国に協力を求める方針です。

 和歌山・白浜町の大江康弘町長
「すでに旅館組合の方からは、この1週間で5億円近い損害が出ている。数字の精査というのはしっかりやって、国に対してお願いができるようにしていきたい」

◇◇◇

 きょう再開した和歌山県白浜町の白良浜海水浴場から中継です。(取材報告:楠下一輝 記者)

 こちら白良浜海水浴場は、1週間の閉鎖が解除されて、きょうを迎えました。観光客が徐々に戻ってきてはいるんですが、例年のお盆の時期に比べると、人の数は少ない印象です。

 きょうは町の職員が、朝から避難経路が示されたチラシを配り、観光客に注意を呼びかけました。

 ここに記載されている避難ルートは、後ろに見える交番の横の坂を上って役場がある高台につながるルートになっていて、先ほど私が砂浜から小走りで向かってみたところ、1分ほどで到着できました。

 なぜこの1分が大事なのかというと、白浜町は、最短4分で最大16メートルの津波が想定されています。海水浴場の課題は、海水浴で海に入っている人への周知ですが、こちらの海水浴場では「津波フラッグ」という視覚的に津波の状況がわかるものを用意しています。監視台に1本ずつ設置されていて、津波がおきた際には、この旗を振って避難誘導を行うことにしています。

 今回の南海トラフ臨時情報を受けて、町はより一層、地震への対応や対策が整ったと話していて、この夏休み期間、多くの観光客が戻ってきてほしいと期待を寄せていました。

読売テレビのニュース