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箱根駅伝 出るか?3年連続2区区間新

2021年12月31日 0:03
箱根駅伝 出るか?3年連続2区区間新

来年1月2日、3日に開催される第98回東京箱根間往復大学駅伝の区間エントリーが29日にあり、出場21チームの1区から10区までの選手が発表されました。

注目はやはり2区。“花の2区”とも言われる通り、各校のエース選手が順当にエントリーされました。今回は、例年以上に熱い戦いが繰り広げられることになりそうです。

前回王者の駒澤大学は、2年連続で田澤廉選手(3年)が起用されることになりました。今年12月には10000mで日本歴代2位(日本人学生最高)となる27分23秒44をマーク。同じレースを走った東京国際大学のイェゴン・ヴィンセント選手(3年)にも勝っています。今や学生の枠を越えた活躍を見せています。

田澤選手は、チームでは3年生にして主将を務めていて、名実ともに駒澤大学の大黒柱的存在です。前回は7つ順位を押し上げてチームを勢い付けたものの、区間順位は7位と本人には不本意な結果でした。今回は、再び2区で一回り成長した活躍を見せてくれるでしょう。

そして“史上最強の留学生”の呼び声高い、東京国際大学のイェゴン・ヴィンセント選手も、2年連続の2区にエントリーされました。前々回は3区、前回は2区と、2年連続で区間新記録を打ち立てており、箱根では異次元の走りを見せています。

ヴィンセント選手は、田澤選手とともに、10000mで来年のオレゴン世界選手権の参加標準記録を突破しており、まさに世界基準のレースが箱根路で繰り広げられることになりそうです。

今回の“台風の目”と目されている東京国際大学にとっては、ヴィンセント選手ら主力が起用される序盤で、いかに貯金を作るかが鍵となります。ここでライバル校から大きなリードを奪えれば、往路優勝はもちろん、総合優勝も見えてくるかもしれません。

“打倒・駒澤大学”の一番手と見られている青山学院大学は、近藤幸太郎選手(3年)が2区に登録されました。トラックシーズンでは、母校の名だたる先輩を飛び越えて、5000m、10000mの大学新記録を樹立。日本学生陸上競技対校選手権(日本インカレ)では、5000mで優勝し、青山学院勢として初めて日本インカレの長距離種目でタイトルを手にしました。

成長著しい青学のエース近藤選手は、全日本大学駅伝の7区で、田澤選手には敗れたものの区間2位と好走。持ち味のスピードに加え、粘り強いレースを見せました。王座奪還のために、田澤選手やヴィンセント選手に真っ向勝負を挑みます。

前回総合2位の創価大学は2区に留学生のフィリップ・ムルワ選手(3年)をエントリー。前回も2区で、ヴィンセント選手のハイペースに果敢に挑みました。結局引き離されたものの、ムルワ選手が単独2位に上がったことが、創価大学の往路優勝、総合2位の足掛かりとなりました。前回の再現を狙う創価大学にとって、昨年度以上に力を付けたムルワ選手の2区がキーポイントとなりそうです。

その他にも、全日本大学駅伝8区区間賞の伊地知賢造選手(國學院大學2年)、前回4区区間賞のポール・オニエゴ選手(山梨学院大学4年)、前回1区区間賞で日本学生ハーフマラソン選手権を制した鎌田航生選手(法政大学4年)、ハーフマラソン学生歴代2位(59分51秒)の記録を持ち、4年連続の2区に挑むライモイ・ヴィンセント選手(国士舘大学4年)と、実績のある選手がそろいました。

また、29日の時点で補欠に登録された選手が、当日変更で2区に起用されることも考えられます。東京オリンピック男子3000m障害7位入賞の三浦龍司選手(順天堂大学2年)、10000m27分台のタイムを持つ中谷雄飛選手(早稲田大学4年)といった選手が、2区に登場するかもしれません。そうなれば、いっそうエース対決は激化することになりそうです。

2区で“夢の記録”とされていた1時間5分台が、初めてマークされたのは前々回、東京オリンピック男子10000m代表の相澤晃選手(東洋大学OB、現・旭化成)によってでした。それが前回、イェゴン・ヴィンセント選手が、わずか1年で塗り替えてしまいました。実力者がそろった今回は、さらなる記録更新も期待されます。チームの命運を握るエースの走りに注目です。