欧州王者チェルシー強さの秘密 香川・岡崎指導したトゥヘル監督の手腕 岡田武史が語る
2012年以来の2回目の欧州制覇を果たしたチェルシー(イングランド)
◇FIFAクラブワールドカップUAE2021(2月4日開幕)
各大陸の王者が集結するFIFAクラブワールドカップUAE2021。2月4日の開幕戦を前に、サッカー元日本代表監督の岡田武史さんがヨーロッパ王者について解説しました。今大会はチェルシーが2012年大会以来2回目の出場となります。
FIFAクラブワールドカップでは近年、8大会連続でヨーロッパ王者が優勝しています。2013年大会はドイツのバイエルン。レアル・マドリードは2014年、2016年から3連覇を含む4回で、2015年のバルセロナの1回と合わせてスペイン勢が8大会のうち5回優勝しています。一方、イングランドのリバプールが2019年に初優勝を果たし、世界の勢力図が変わってきたと岡田さんは言います。
「ヨーロッパのリーグの旬みたいなものがあって、ブンデスリーガ(ドイツ)が旬な時があって、そしてセリエA(イタリア)、次にリーガエスパニョーラ(スペイン)が旬になった。そして今、ここ数年はやっぱりプレミアリーグ(イングランド)。ここに資金と、いい選手が集まってきているよね」
チェルシーは2021年1月、プレミアリーグで9位に沈んでいましたが、トゥヘル監督の就任とともに4位でフィニッシュ。2021年5月にはUEFAチャンピオンズリーグで9大会ぶり2回目の制覇を果たしました。
「すごいスーパースター的な選手はいないけれど、全体の平均点のレベルが非常に高い選手みんながチームプレーに徹するイメージ。どんどん個性を出すよりも、平均レベルの高い選手たちがチームのために連係してプレーする、そういうイメージのチームかな」
2020年まで指揮したパリ・サンジェルマン(フランス)を国内4冠へ導いたトゥヘル監督。以前は、2009年にマインツ(ドイツ)に在籍し、ユースチーム監督からトップチーム監督に昇格しました。在任期間中、そのマインツには岡崎慎司選手が所属。恩師トゥヘル監督の指導の下、ゴールを量産し活躍しました。
そして、2015年からはドルトムント(ドイツ)の監督を務め、香川真司選手とともにドイツカップを制覇。実績のある指揮官の手腕は高く評価されています。
「(マインツから)ドルトムントへ行って、パリ・サンジェルマンで成功して、今、急激に上がってきているところだよね。まだまだ若いし、これから分からないけれど、いい監督であることは間違いないと思う。聞く話によると、練習も同じような練習は2度やらないぐらい、多様な練習をしたり、戦術も相手を分析して、それに合わせて相手を抑えて(自チームの)いいところを出してとか。そういうタイプだと聞くので、彼のディフェンスに対する情熱とか哲学はものすごくしっかりしたものがあるなと。ブロックをしっかりつくってスキを作らないような。それは感じましたね」
チェルシーは1905年、イギリス・ロンドン南西部のチェルシー地区周辺で誕生しました。100年以上の歴史において、トゥヘル監督はクラブ初のドイツ人監督です。
「監督というのはどこの国の人でも一緒だけど、誰しもいい人だと思われたい、好かれたい。(そういう気持ちは)人間、誰でも持っているけれど、監督というのは、(選手にとって)自分を使ってくれる監督がいい監督。でも、11人しか使えない。だから、そこをきちっと割り切れるかどうか。別にわざわざ嫌われる必要はないけれど、好かれることは仕事ではない。そのへんを冷徹にある程度できるのがドイツ人。トゥヘル監督もちょっとそういうタイプなのかもしれないね」
2021年5月のUEFAチャンピオンズリーグでは守備的なサッカーで優勝を飾りました。FIFAクラブワールドカップではどんな戦いを見せてくれるでしょうか。
「マンチェスター・シティとの決勝だけ見たら、ものすごく守備的だし、5-2-3でブロックをつくって守っていて、これは自分から攻めに行くときはどうするんだろうと思うけれど、それなりにやっぱりレベルの高い選手、秀でていないけれど平均点以上の選手たちがあれをやっているんだよね。だから、自分たちで攻めに行こうとしても、そこそこやるなと。リーグ戦の中でそんなにたくさんは見てないけれど、ちゃんと格下の相手に対しては、こっちからしっかりビルドアップして攻めているから、チェルシーはやれると思うよ。ワンパターンじゃなくて、トゥヘルという監督はどうもめちゃくちゃ研究して、守備的にやる時は守備的にやるし、こういう時は攻撃的にやる、という使い分けをしているみたいだから。チェルシーがやっぱりダントツに強いんじゃないかな」
各大陸の王者が集結するFIFAクラブワールドカップUAE2021。2月4日の開幕戦を前に、サッカー元日本代表監督の岡田武史さんがヨーロッパ王者について解説しました。今大会はチェルシーが2012年大会以来2回目の出場となります。
FIFAクラブワールドカップでは近年、8大会連続でヨーロッパ王者が優勝しています。2013年大会はドイツのバイエルン。レアル・マドリードは2014年、2016年から3連覇を含む4回で、2015年のバルセロナの1回と合わせてスペイン勢が8大会のうち5回優勝しています。一方、イングランドのリバプールが2019年に初優勝を果たし、世界の勢力図が変わってきたと岡田さんは言います。
「ヨーロッパのリーグの旬みたいなものがあって、ブンデスリーガ(ドイツ)が旬な時があって、そしてセリエA(イタリア)、次にリーガエスパニョーラ(スペイン)が旬になった。そして今、ここ数年はやっぱりプレミアリーグ(イングランド)。ここに資金と、いい選手が集まってきているよね」
チェルシーは2021年1月、プレミアリーグで9位に沈んでいましたが、トゥヘル監督の就任とともに4位でフィニッシュ。2021年5月にはUEFAチャンピオンズリーグで9大会ぶり2回目の制覇を果たしました。
「すごいスーパースター的な選手はいないけれど、全体の平均点のレベルが非常に高い選手みんながチームプレーに徹するイメージ。どんどん個性を出すよりも、平均レベルの高い選手たちがチームのために連係してプレーする、そういうイメージのチームかな」
2020年まで指揮したパリ・サンジェルマン(フランス)を国内4冠へ導いたトゥヘル監督。以前は、2009年にマインツ(ドイツ)に在籍し、ユースチーム監督からトップチーム監督に昇格しました。在任期間中、そのマインツには岡崎慎司選手が所属。恩師トゥヘル監督の指導の下、ゴールを量産し活躍しました。
そして、2015年からはドルトムント(ドイツ)の監督を務め、香川真司選手とともにドイツカップを制覇。実績のある指揮官の手腕は高く評価されています。
「(マインツから)ドルトムントへ行って、パリ・サンジェルマンで成功して、今、急激に上がってきているところだよね。まだまだ若いし、これから分からないけれど、いい監督であることは間違いないと思う。聞く話によると、練習も同じような練習は2度やらないぐらい、多様な練習をしたり、戦術も相手を分析して、それに合わせて相手を抑えて(自チームの)いいところを出してとか。そういうタイプだと聞くので、彼のディフェンスに対する情熱とか哲学はものすごくしっかりしたものがあるなと。ブロックをしっかりつくってスキを作らないような。それは感じましたね」
チェルシーは1905年、イギリス・ロンドン南西部のチェルシー地区周辺で誕生しました。100年以上の歴史において、トゥヘル監督はクラブ初のドイツ人監督です。
「監督というのはどこの国の人でも一緒だけど、誰しもいい人だと思われたい、好かれたい。(そういう気持ちは)人間、誰でも持っているけれど、監督というのは、(選手にとって)自分を使ってくれる監督がいい監督。でも、11人しか使えない。だから、そこをきちっと割り切れるかどうか。別にわざわざ嫌われる必要はないけれど、好かれることは仕事ではない。そのへんを冷徹にある程度できるのがドイツ人。トゥヘル監督もちょっとそういうタイプなのかもしれないね」
2021年5月のUEFAチャンピオンズリーグでは守備的なサッカーで優勝を飾りました。FIFAクラブワールドカップではどんな戦いを見せてくれるでしょうか。
「マンチェスター・シティとの決勝だけ見たら、ものすごく守備的だし、5-2-3でブロックをつくって守っていて、これは自分から攻めに行くときはどうするんだろうと思うけれど、それなりにやっぱりレベルの高い選手、秀でていないけれど平均点以上の選手たちがあれをやっているんだよね。だから、自分たちで攻めに行こうとしても、そこそこやるなと。リーグ戦の中でそんなにたくさんは見てないけれど、ちゃんと格下の相手に対しては、こっちからしっかりビルドアップして攻めているから、チェルシーはやれると思うよ。ワンパターンじゃなくて、トゥヘルという監督はどうもめちゃくちゃ研究して、守備的にやる時は守備的にやるし、こういう時は攻撃的にやる、という使い分けをしているみたいだから。チェルシーがやっぱりダントツに強いんじゃないかな」