【独占】岡田武史が語るサッカークラブ世界一決定戦 過去に受けた衝撃とアジアの躍進
サッカークラブ世界一決定戦の魅力を語る岡田武史さん
◇FIFAクラブワールドカップUAE2021(2月4日開幕)
2月4日に開幕戦を迎えるFIFAクラブワールドカップUAE2021。各大陸の王者が集結するクラブ世界一決定戦の開幕を前に、サッカー元日本代表監督の岡田武史さんが歴史ある大会について振り返りました。
前身であるトヨタカップを第1回の1980年度大会(※開催は81年2月)から毎年、世界最高峰のクラブのスーパープレーを目の当たりにしてきた岡田さん。大陸王者同士が繰り広げる熱い戦いの魅力、そして記憶に残るクラブについて語りました。
「最初のころは、前の国立競技場の芝生が真っ茶色に枯れていて、結構デコボコで。ヨーロッパから来た選手は(ピッチが)硬くてボールコントロールがうまくできていなかった印象がありました。当時、南米の選手はそんなグラウンドもあんまり苦にせず、(1981年)ジーコのいたフラメンゴが(リバプールに)勝った時もそうだけど『すごいなあ』というのが最初の頃の印象なんだよね」
岡田さんは1985年に、ユベントスの一員として国立のピッチに立ったある選手に衝撃を受けました。同時に、ヨーロッパサッカーのすごみを感じてたと言います。
「ユベントスでプラティニ選手が出てきて、『ヨーロッパにもこんなうまい選手がいて、こんなチームがあるんだ』っていうのがすごく印象に残っているよね。当時ユベントスがそんな世界的なチームという印象がなかったので、あの縦じまのユニホーム、こんなすごいクラブがあることを知って、あそこで『ヨーロッパって、ひょっとしてすごいのかもしれない』と思いました。その後、ずっといろんな試合があったね。(1990年)ミランのオランダトリオをアリゴサッキがゾーンプレスというもので、ラインを押し上げて前からプレッシャーをかけていく。それまであんなのはなかったからね、戦術として。初めて『こんなサッカーの戦術があるんだ』という。ミランの3人はすごかった。ファン・バステン、ライカールト、フリットと、これもすごく印象に残っています」
アジアから出場したクラブについて振り返ると、2008年大会に出場したガンバ大阪を挙げました。大会では準決勝でヨーロッパ王者のマンチェスター・ユナイテッドと対戦。結果は3-5で敗れましたが、強豪クラブに立ち向かえる手応えを実感しました。
「ガンバ大阪の試合を見て『これ、十分やってるじゃん』という印象が残ったな。アジアも結構やるなという試合があったんだね。アルアインも開催国で出て、それとレアル・マドリードを苦しめたアルジャジーラもそう。アジアがある程度ヨーロッパ、南米に近づき始めているんじゃないかと思うんですよね。そういう試合ができる時と、やっぱり全然ちょっと太刀打ちできないなって感じる試合とかまだ混ざっているんですよ。レベルはある程度上がってきているとは思うんだけど、やっぱりメンタル的なもの、相手を恐れないということがまず一つ。昔は相手にならなかったんだけど、ヨーロッパがちょっと緩めたらアジアにもチャンスがある。それぐらいになってきているのかなとは思いますね」
近年の大会で印象に残った選手には、2019年大会に出場したヨーロッパ王者リバプールのFWモハメド・サラー選手の名前を挙げました。
「すごいなと思ってテレビで見たけれど、そんなに大きいわけじゃなく、スピードはあるけれど抜群のスピードというわけでもなくて、左足の技術といい、この選手はすごいなと思ったね。ボールを渡したらやってくれそうで、うち(FC今治)へ来てくれたら1人で点を取ってくれるだろうなという感じ」
普段見ることのできない世界のスターが集結するクラブ世界一決定戦。岡田さんが見てきた最高峰の戦いは、今の日本サッカーの発展にも欠かさない出来事となっています。
「世界のサッカー、それもトップが日本で見られるというのは、最初は何のことかなという感じで、たぶんそんな本気で来ないんだろうなって。興行みたいなのがあったから来るのかなと思ったら、南米はともかく本気ですごい感じで来ていたし、ヨーロッパは最初のうちは、大会がシーズンの途中みたいな感じだったけど、やっぱり本気になってきたし。そういう意味では、日本でサッカーの熱を広げるというかね、サッカーの人気を上げるためにも、ものすごく大きな役割を果たしたと思うよ。サッカー知らない人がたくさん見に来ていたからね。このトヨタカップだけは」
2月4日に開幕戦を迎えるFIFAクラブワールドカップUAE2021。各大陸の王者が集結するクラブ世界一決定戦の開幕を前に、サッカー元日本代表監督の岡田武史さんが歴史ある大会について振り返りました。
前身であるトヨタカップを第1回の1980年度大会(※開催は81年2月)から毎年、世界最高峰のクラブのスーパープレーを目の当たりにしてきた岡田さん。大陸王者同士が繰り広げる熱い戦いの魅力、そして記憶に残るクラブについて語りました。
「最初のころは、前の国立競技場の芝生が真っ茶色に枯れていて、結構デコボコで。ヨーロッパから来た選手は(ピッチが)硬くてボールコントロールがうまくできていなかった印象がありました。当時、南米の選手はそんなグラウンドもあんまり苦にせず、(1981年)ジーコのいたフラメンゴが(リバプールに)勝った時もそうだけど『すごいなあ』というのが最初の頃の印象なんだよね」
岡田さんは1985年に、ユベントスの一員として国立のピッチに立ったある選手に衝撃を受けました。同時に、ヨーロッパサッカーのすごみを感じてたと言います。
「ユベントスでプラティニ選手が出てきて、『ヨーロッパにもこんなうまい選手がいて、こんなチームがあるんだ』っていうのがすごく印象に残っているよね。当時ユベントスがそんな世界的なチームという印象がなかったので、あの縦じまのユニホーム、こんなすごいクラブがあることを知って、あそこで『ヨーロッパって、ひょっとしてすごいのかもしれない』と思いました。その後、ずっといろんな試合があったね。(1990年)ミランのオランダトリオをアリゴサッキがゾーンプレスというもので、ラインを押し上げて前からプレッシャーをかけていく。それまであんなのはなかったからね、戦術として。初めて『こんなサッカーの戦術があるんだ』という。ミランの3人はすごかった。ファン・バステン、ライカールト、フリットと、これもすごく印象に残っています」
アジアから出場したクラブについて振り返ると、2008年大会に出場したガンバ大阪を挙げました。大会では準決勝でヨーロッパ王者のマンチェスター・ユナイテッドと対戦。結果は3-5で敗れましたが、強豪クラブに立ち向かえる手応えを実感しました。
「ガンバ大阪の試合を見て『これ、十分やってるじゃん』という印象が残ったな。アジアも結構やるなという試合があったんだね。アルアインも開催国で出て、それとレアル・マドリードを苦しめたアルジャジーラもそう。アジアがある程度ヨーロッパ、南米に近づき始めているんじゃないかと思うんですよね。そういう試合ができる時と、やっぱり全然ちょっと太刀打ちできないなって感じる試合とかまだ混ざっているんですよ。レベルはある程度上がってきているとは思うんだけど、やっぱりメンタル的なもの、相手を恐れないということがまず一つ。昔は相手にならなかったんだけど、ヨーロッパがちょっと緩めたらアジアにもチャンスがある。それぐらいになってきているのかなとは思いますね」
近年の大会で印象に残った選手には、2019年大会に出場したヨーロッパ王者リバプールのFWモハメド・サラー選手の名前を挙げました。
「すごいなと思ってテレビで見たけれど、そんなに大きいわけじゃなく、スピードはあるけれど抜群のスピードというわけでもなくて、左足の技術といい、この選手はすごいなと思ったね。ボールを渡したらやってくれそうで、うち(FC今治)へ来てくれたら1人で点を取ってくれるだろうなという感じ」
普段見ることのできない世界のスターが集結するクラブ世界一決定戦。岡田さんが見てきた最高峰の戦いは、今の日本サッカーの発展にも欠かさない出来事となっています。
「世界のサッカー、それもトップが日本で見られるというのは、最初は何のことかなという感じで、たぶんそんな本気で来ないんだろうなって。興行みたいなのがあったから来るのかなと思ったら、南米はともかく本気ですごい感じで来ていたし、ヨーロッパは最初のうちは、大会がシーズンの途中みたいな感じだったけど、やっぱり本気になってきたし。そういう意味では、日本でサッカーの熱を広げるというかね、サッカーの人気を上げるためにも、ものすごく大きな役割を果たしたと思うよ。サッカー知らない人がたくさん見に来ていたからね。このトヨタカップだけは」