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【高校サッカー徳島全力応援】地方の星!公立の星!徳島市立を応援したい5つのこと

2024年12月28日 9:00
【高校サッカー徳島全力応援】地方の星!公立の星!徳島市立を応援したい5つのこと
3年連続の選手権全国大会に挑む徳島市立
高校サッカー地方創生』
お盆には県内各地で阿波踊りが開催され県人口をはるかに超える数の観光客で賑わう徳島。しかしそれ以外の期間は近年人影も少なくなり、人口減少、少子化は深刻な問題です。

サッカー界も例外ではなく中体連の大会には数多くの学校が合同チームでの参戦、そして有力な選手は県外の強豪を進学先に選ぶことも少なくなく、徳島県の学生スポーツは窮地に立たされているといっても過言ではありません。

その中で希望の光ともいえるのが、今大会21回目の選手権全国出場を決めた徳島市立高校。12月31日の2回戦では、フクダ電子アリーナで長野代表上田西と対戦します。

周囲にも強豪ひしめく激戦区ではありますが、勝ち抜く力がある魅力的なチームです。徳島サッカー界の明日を担う代表校徳島市立の応援したい5つのポイントを紹介します。

1. 学校特徴

『学問』『スポーツ』『芸術』を教育の3本柱に据える県内屈指の文武両道校。学校の北には吉野川が流れ、西には徳島市のシンボル眉山を望む。学校の正門横にはヤシの木が立ち並び、敷地に隣接する沖洲川では全国上位のローイング部(ボート)が櫓をこぐ南国情緒あふれる学校です。

他にもハンドボール、男子テニス部などが県内で強豪です。近年はダンス部が進学希望の中学生から人気で、放課後には学校のあちこちで元気な声が響く明るい校風が魅力の進学校です。

2. 平成の徳島県高校サッカーを牽引!胸には2つの星

1991年には全日本ユース選手権、1992年にインターハイと合計2度の全国制覇。共に県勢唯一の日本一です。

その黄金世代の卒業生河野博幸監督がチームを率いています。選手権の最高成績は98回大会のベスト8。今年こそ国立を目指します。

3. 徳島市立VS徳島商 伝統の決勝を制し全国の舞台へ

徳島県のサッカーファンなら誰もが知る『伝統の決勝』。誇り高き市高ブルーと情熱のオレンジ軍団のライバル対決。

1985年64回大会に徳島市立が県大会初制覇を皮切りに1997年76回大会まで13大会連続の決勝カードとなるなど歴史を築き、今大会で実に21回目となりました。

3連覇を狙う徳島市立は、練習や試合の中でGPSを用いて走行距離などを計測し『走力』にこだわって鍛えてきました。80分の試合でも12~13キロの走行距離を記録する選手たちが次々とゴール前に飛び込んで得点を狙う攻撃的なチームです。

一方の徳島商も地元の眉山や小松海岸など郷土の海・山で『打倒!市高!』を胸に足腰と精神を鍛えてきました。ハイプレスと多彩な攻撃パターンの徳島市立に対し、徳島商の堅守速攻、試合の立ち上がりから『走り勝つ!』という選手たちの気迫が感じられる中、ゲームが動いたのは前半17分でした。

右SB藤川琉偉選手(3年)が鋭い出足で中盤でボールを奪うと、すぐさまキャプテン上田寛大選手(3年)が左に展開し駆け上がっていた岸孝亮選手(3年)へ、この時点で5人の選手がゴール前に走りこみ、岸選手のクロスは最も大外から駆け込んできたレフティ原水智弘選手(3年)の左足にピタリと合って先制に成功、これぞ徳島市立という先制点でリードを奪い前半を終えます。

ハーフタイムに左サイドに快速アタッカー牛尾律貴選手(2年)を投入しギアチェンジする徳島市立、すると後半5分でした。左サイドを牛尾選手が切り裂き、クロスを上げるとまたしてもファーに原水選手が走りこみダイビングヘッドでドンピシャリ。リードを2点に広げました。

徳島商にPKで1点を与えましたが、迫力満点のサイド攻撃で3得点、セットプレーで3得点と合計6得点。80分を全力で走り勝ち3大会連続21回目の全国大会出場を決めました。

4. 四国を牽引する文武両道

部員数60人前後、サッカー1面分の人工芝のグラウンドを他の部と分け合い練習をする徳島市立は、A,Bチーム分けをせず部員全員が一緒に練習しています。

グラウンドの中央では河野博幸監督が選手全員にアドバイスを送り、高円宮杯 JFA U-18プリンスリーグの得点王と入部したばかりの1年生がマッチアップする様子なども見られます。

この練習風景が県決勝の直前まで行われているのだから驚きです。『3年間常に全員に全国で活躍する為のアピールチャンスがあるように直に指導する』ことに河野監督はこだわります。

夢をもって入部した1年生にとっては高いレベルの練習が成長の場になり、一方で3年生は『強度が落ちる所もあるが、少しずれた後輩のパスを決めきるなど、対応力が身についていると思う』(エース3年鈴木悠哉選手)など、独自の環境でメリットを見出し、今後新たな環境に身を置いた時、どんな仲間とでも自分の力を発揮できる対応力を身につけています。

一方、勉強面も全力です。選手たちは歴代の先輩達が学問の面でも進路に向き合い、推薦だけでなく大学入試を受けて自身の未来を切り開いていった姿を見ています。その文化からか練習後塾に通うなど受験勉強をしながら練習に取り組む選手も少なくありません。

四国プリンスリーグの得点王山口凜太朗選手(3年)もその一人です。理系専攻の為、サッカー推薦での文系進学は希望せず、志望校を見据えて受験勉強をしながら大会に臨んでいます。

しかも決まって走り込みの先頭を走り、『いつも山口さんが最後まで残ってシュートを打っている姿をよく見ます』(2年マネージャー)という言葉どおり、サッカーの努力も怠らないチームの心臓です。

『何かを成し遂げるために他の何かを諦めるのは全力ではない。自分に出来る事を全て本気でやることが本当の全力です』という山口選手の言葉通り、自分の未来のために全力を尽くせる選手が育つ環境が整っています。

ここ3年は四国プリンスリーグでも高体連トップの順位、四国総体も連覇、そして1年生限定の四国ルーキーリーグは3年連続無敗優勝と圧倒的な成績を残す徳島市立。まさに四国を牽引する公立の雄が今年こそ悲願の国立を目指します。

5. 地方の星 11番 岡快吏選手(3年)

エース10番鈴木悠哉選手と2トップを組み、抜群の運動量と献身性で攻撃を活性化させるフォワードが岡快吏選手です。中学は徳島県西部の貞光中学校に通い、部員数が11人に満たないサッカー部でプレーをしていました。

大会には同じつるぎ町内の半田中学校と合同チームで出場していました。『徳島市立でプレーするなんて夢にも思っていなかった』(岡選手)と当時を振り返ります。

その言葉とは裏腹に、2年生の頃からレギュラーの座を獲得、今年のインターハイ1回戦では選手権全国大会の前回大会準優勝校、滋賀・近江高校相手に先制点をマーク、3-1の快勝に貢献しました。

河野監督が『今いる環境を諦める理由にしてほしくない、徳島県の中学生たちが地元からでも全国の上位を目指せるチームであり続けなければいけない。』という想いを体現した、まさに地方の星と言える選手です。

全国の初戦は12月31日上田西との2回戦。『徳島県の中学生に希望を届けられるような活躍をしたい』という岡選手の想いが全国のピッチで実を結べば、徳島県高校サッカーの明日に光が射すことでしょう。

(取材・文 高校サッカー選手権民放43社 / 四国放送)

最終更新日:2024年12月28日 9:00
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