【体操】橋本大輝 一見完璧な着地も「手が回っちゃった」連覇の快挙も更なる成長を期待させる言葉
■史上4人目の世界選手権連覇
橋本選手は第1種目のゆか。G難度のリ・ジョンソンを封印し、0.2難度を下げた構成で臨みますが、最後の3回ひねりの着地では大きく動くミス。13点台のスコアで出遅れます。
それでもあん馬、つり輪では堅実な演技を見せ、それぞれ14点台のスコアをマーク。
第4種目の跳馬では、高難度・ロペスの着地を完璧に止め、15.000をマークしました。
平行棒でもミスなく着地までまとめ、14.800のスコアをマーク。
最終種目の鉄棒ではF難度のリューキンは回避しましたが、G難度のカッシーナをはじめ、4つの離れ技を成功。伸身新月面宙返り下りの着地も一歩も動かず、6種目の戦いを締めくくると、合計86.132で史上4人目の連覇を達成しました。
■一見、完璧な着地も…
橋本選手は、試合後のインタビューで「1種目めでヒヤヒヤだったけど、最後まで集中力切らさずできて良かった。(跳馬は)後ろ一歩を狙おうかと思ったけど、着地面を見たときに『これは止められる』と思ったので、意地でも動かさずに流れを持ってこられたのが良かった」と話しました。
最後の鉄棒の着地について聞かれると「最後気持ちよく決めたかったですね。ちょっと手が回っちゃった」と悔しさがうかがえるコメント。
実は体操競技の着地の減点項目には、足が動いてしまうこと以外に、『着地で手を回す』など、体のふらつきに関する項目があり、これらは0.1の減点対象となります。
一歩も動かない、一見完璧に思える着地でしたが、橋本選手はこのような観点も踏まえて、反省点・改善点についてコメントを残したのでしょう。
王者になってもなお、自分の演技を冷静に分析し、成長できる余白を探し続ける姿勢は、更なる進化を期待させてくれる瞬間でした。