巨人異例の宮崎キャンプイン=現地リポート
今月1日に、巨人がサンマリンスタジアム宮崎で春季キャンプをスタートしました。今年は感染症対策のため、無観客での開催。ファンのいないキャンプ地から現地リポートです。
キャンプインの前日、先月31日に宮崎空港に到着した巨人の選手たち。ゲートの外には空港職員が手作りした、ブーゲンビリアの花道が作られていました。
「歓迎セレモニーが宮崎空港で、できなかったので、コロナ禍だからこそできること。非接触型のおもてなしをお花でさせていただいています」と語る、空港職員の石尾麻貴子さん。
例年は、選手を一目みようと集まった大勢のファンと共に、宮崎空港は盛大な歓迎セレモニーを行います。今年は実施がかないませんでしたが、前日の30日から空港職員が手作業で花道を準備。空港の正式名称「宮崎ブーゲンビリア空港」にちなみ、ブーゲンビリアの花びらで選手の到着を彩りました。
そして1日に春季キャンプをスタートした巨人。選手たちは感染症対策のため、4か所にわかれて練習をしています。宮崎では岡本和真選手(24)を臨時の野手キャプテンに据え、1軍の若手選手と2軍選手が練習。主将・坂本勇人選手や菅野智之投手など、ベテラン勢を中心とした「S班」は東京ドームで練習しています。
異例の体制にも原監督は「我々は一喜一憂することなく与えられたルールの中でやりきる。動揺することなく前向きに」と、監督として迎える15シーズン目。動じることなく、選手の指導にあたっていました。
■宮崎の観光経済はいま
無観客開催の影響は、宮崎の観光経済にも大きな影響を与えています。現状を現地のタクシー運転手は――「去年の2月に比べたら(利用客は)通常の10分の1ですね。ソフトバンクとか巨人とかいったら(集まるファンが)5万人とか、3万人とかになりますから。それが全く乗車がない」
さらに、宮崎市内に店を構える老舗釜揚げうどん屋「重乃井」では、コロナ禍の影響で、売り上げが通常の半分以下に減ったといいます。長嶋茂雄さんや王貞治さんもその味を愛し、現役時代から足しげく通う名店を、例年多くの巨人ファンが訪れていました。
店で働く伊豫展子さんは「巨人ファンだけど行きたくても行けないんだっていう電話もありました。とにかく店を守ってくれと。まさかこんなに長く続くと思わなかったんですけど、(球団の)みなさんが宮崎に入ってくれる、この話題一つで元気になりました。無観客ですけど、みなさんをお待ちする気持ちを忘れずに頑張って行こう」と話しました。
巨人は春季キャンプ全日程をホームページでライブ配信。宮崎に、そして全国のファンに明るい話題を届けます。
画像:2月1日 打撃練習をする岡本和真選手