内田篤人が告白 世界最強GKとの秘話
サッカークラブ世界一を決める、FIFAクラブワールドカップ。ヨーロッパ王者として出場している、バイエルンのキャプテンがマヌエル・ノイアー選手(34)。ノイアー選手との思い出を元日本代表、内田篤人さん(32)が語ってくれました。
2010年から7年間、ドイツのシャルケで活躍した内田さん。現在のバイエルンには、かつて内田さんとシャルケでともにプレーした選手が5人在籍。その中でも内田さんが最も印象に残っている選手が、ノイアー選手です。
ノイアー選手は去年、FIFA最優秀ゴールキーパー賞を受賞した、世界的ゴールキーパー。バイエルンとドイツ代表の守護神として活躍しています。
シャルケ時代、内田さんは、ノイアーに助けられたと言います。「ミーティングで監督に聞かれて答えられない僕を、『いや監督待ってくれ。ドイツに来たばかりだし、日本人でドイツ語が分からないのにそんな急にしゃべれないよ』とフォローしてくれました。終わった後にありがとうと言ったら、『いいんだよ』と言ってくれました」。
ドイツ移籍当初から、ノイアーに助けられていたという内田さん。中でも一番感謝しているのが、10年前、東日本大震災の翌日の試合。「試合へ移動するバスの中で、日本に何かメッセージを届けたいとシャツを準備していたら、ノイアー選手が、『それどうするんだ?』と聞いてきて。勝ったら見せようと思う。負けたら見せない。と答えたら、『今日勝つから俺が勝たせるから見せよう』と言ってくれました」。
ノイアー選手は、その約束を果たします。同点で迎えた試合終盤、自陣からロングパス。ボールは一気に味方フォワードへ。見事ゴールが決まり、シャルケは勝利。得点直後、ゴールした選手ではなく、ノイアー選手に駆け寄った内田さん。「ありがとうと言った。本当に助けられましたノイアーには」と振り返ります。
試合後、メッセージを見せるタイミングを、はかりかねていた内田さん。すると、サポーターの前に導いてくれたのは、ノイアー選手でした。「メッセージを発信するのも合っているのか?合っていないのか?難しいところだったんですけど、ノイアーに背中を押されて伝えることができました。かっこいい。本当にいい男」。
実力だけでなく、性格も超一流のノイアー選手。自身2度目のクラブ世界一をかけ、日本時間12日午前3時から、北中米カリブ王者ティグレスと対戦します。
写真:日本テレビ