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クラブW杯「ビデオ判定でしかわからない」

2021年2月13日 19:23
クラブW杯「ビデオ判定でしかわからない」

サッカーのクラブ世界一を決める、FIFAクラブワールドカップ決勝。ヨーロッパ王者のバイエルン(ドイツ)が北中米カリブ王者のティグレス(メキシコ)と対戦。1対0でバイエルンが勝利し、7大会ぶりの優勝。この一戦を元日本代表・中澤佑二さんが解説しました。

今回の試合の明暗を分けたのがビデオ判定でした。

前半18分、バイエルンのキミッヒ選手(25)がゴール左下に強烈なミドルシュートでゴール。しかし、ビデオ判定の結果、ゴールは取り消されオフサイドとなります。

この判定に中澤さんは、「レバンドフスキ選手(32)がボールに触っていれば、ディフェンダーの前でボールを受けているので確実にオフサイドです。でもボールには触っていないです。ただ、レバンドフスキがちょっとジャンプしていて、これがゴールキーパーの視野を邪魔してボールに関与したと見なされ、オフサイドの判定になったと思います」

そして、前半24分のバイエルンが自陣深い位置でボールを奪い、素早く相手ゴール前まで攻め込んだ高速カウンターについて。

中澤さんは、「縦パスに対してダイレクトに後ろの選手に落としたところが良かったですよね。無理にターンせず、ダイレクトで状態のいい味方にパスしたことで展開が早くなりました。最終的にゴール前にはバイエルンの選手が5人、ティグレスのディフェンスが3人で、ティグレスが数的不利だったんですけど、最後は体を張ってよく守りましたね」とバイエルンのカウンターの速さと、ティグレスのディフェンスのレベルの高さを称賛しました。

0対0のまま迎えた後半14分、バイエルンに先制のチャンスが訪れます。敵陣ペナルティエリアより少し前でボールを受けたキミッヒ選手が、左足のクロス。それに反応したレバンドフスキ選手が、相手のオフサイドラインをかいくぐりヘディング。キーパーと交錯するかたちとなりますが、こぼれたところにいた、パバール選手(24)が押し込みゴール。しかし、レバンドフスキ選手のヘディングに対し、オフサイドの判定。

このプレーに対し、この日2度目のビデオ判定。その結果、今度はオフサイドが取り消され、ゴールが認められます。

この判定に中澤さんは、「非常に微妙な判定で、VAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)でなければわからないところ。VARの結果ゴールとなりましたけど、ピンポイントでクロスを上げたキミッヒ選手、抜け出したレバンドフスキ選手、そしてゴールを決めたパバール選手のプレーが素晴らしかったです」とバイエルンの3選手のプレーの質の高さを評価しました。

一方、ティグレスもエース、ジニャック選手(35)がロングスローからオーバーヘッドを試みたり、守護神グスマン選手(35)の連続セーブがあったりと、攻守にわたってクオリティーの高さをみせつけますが、試合はバイエルンが1対0で勝利しました。

バイエルンが7大会ぶり2度目の優勝。2009年のバルセロナに続き、歴代2クラブ目となる6冠(UEFAチャンピオンズリーグ、UEFAスーパーカップ、ドイツリーグ、ドイツ杯、ドイツスーパー杯、クラブW杯)を達成しました。

写真:AFP/アフロ