「師匠の顔に泥塗れない」照ノ富士の思い
大相撲春場所で3度目の優勝を果たし、大関復帰を確実なものとした照ノ富士。優勝から一夜明けた29日、会見を開きました。
たくさんの優勝を祝う連絡が届いたという照ノ富士。「自分のように喜んでくれる方がたくさんいることを改めて感じました。ありがたいなと思います」と、祝福への感謝を語りました。
照ノ富士は2017年に大関から陥落。その後も両膝のけがや複数の内臓疾患に苦しみ、思うような相撲を取ることができませんでした。一昨年の春場所には、序二段まで番付を落とします。
「1日1日の生活が自分の中で戦い。必死に生きようとしている自分がいた。だからこそ、1日の大切さをそのときに学びました」と、苦しんだ当時を振り返ります。
どん底にいた照ノ富士を支えたのは、師匠の伊勢ケ浜親方でした。何度も相撲を辞めたいと相談した照ノ富士を励まし、引退を引き留めたのです。
「僕を信じてもう1回できるんだという気持ちにしてくれた。その支えのもと今にたどり着いたと思います」と、伊勢ケ浜親方の支えを明かしました。
大関復帰を懸けた勝負の春場所。「師匠の顔に泥塗ることは絶対に許さない」と、強い気持ちで戦ったという照ノ富士。11勝3敗で迎えた28日の千秋楽、大関・貴景勝との一番では、貴景勝に押される場面もありましたが、最後は押し出した照ノ富士が勝利しました。
21場所ぶりの大関復帰を確実にした照ノ富士は、「昔から目標にしていたのは横綱の地位ですから、やっと近づいてもう一歩先に進むところまで来た。もっと頑張って成績を残さないといけないと改めて強く思いました」と、次なる目標を語りました。
写真:日本相撲協会提供