由伸氏 畠の変化球絶賛「打者には難しい」
東京五輪まで100日となった14日、プロ野球セ・パ6試合が「結束!侍ジャパンナイター」と銘打って行われ、オリンピックに出場した野球界の「レジェンド」達が始球式を務めました。
東京ドームで行われた巨人対中日の始球式には、アテネ五輪で銅メダル獲得に貢献した高橋由伸さんが登場し、ファンをわかせました。
その後の試合も観戦した由伸さんは、9回途中まで投げ9奪三振・1失点の好投で今シーズン初勝利をあげた先発・畠世周投手のピッチングを分析。奪三振9つのうち、5つの決め球となったカットボールに注目し、その独特の変化を解説しました。
一般的にカットボールはストレートに近い球速で小さく変化し、空振りを奪うのではなく凡打に打ち取る球種ですが、畠投手のタテに落ちて空振りを奪うカットボールを見た由伸さんは、「力の入れ具合などで変化は違うので。畠投手にとって投げやすいボールなんだと思う。まっすぐの高さもいい所に行っていたので、タテの変化のカットボールもより生きた」と解説。
独特のタテに落ちるカットボールの変化については、「フォークの代わりになる感じがする。打者もカットボールというよりフォークという感じで三振していた。ストレートは力・スピードのある投手なので、タテのカットボールを低めから落とされると打者も難しい」と、カットボールをフォークになぞらえ、打者目線で分析しました。
自身が監督を務めた時期にも先発として活躍していた畠投手について、「前後の変化で勝負する投手。たまにカーブを投げたり、カットボールをうまく使っていくと、打者のタイミングをずらしたりゴロも打たせたりできるので、長いイニングを投げられるポイントになる。入団した時から可能性を秘めた選手だと思っている。あと一歩で完封だったが、四死球も1つずつで内容的にはよかった。完封できればよかったけど先発として仕事はできていた。今後もこのようなピッチングをしていってほしい」と、かつての教え子にエールを送りました。
試合は畠投手の好投などにより、5-1で巨人が中日に勝利を収めています。