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【5月25日は「世界甲状腺デー」】バセドウ病克服した競泳五輪メダリストの星奈津美さん 早期発見の大切さ伝える

2022年5月25日 16:00
【5月25日は「世界甲状腺デー」】バセドウ病克服した競泳五輪メダリストの星奈津美さん 早期発見の大切さ伝える
世界甲状腺デーに自身の体験をSNSなどで共有した星奈津美さん

「“世界甲状腺デー”というものがあることを私自身も知ったのがこの2、3年。自分が病気を持っていても知らなかったので、『きっとこれは知っている人たちってすごく少ないんだろうな』と感じました」

競泳でオリンピック2大会連続メダルを獲得した星奈津美さん(31)は現役時代、甲状腺に異常が現れる病気「バセドウ病」と闘いながら競技生活を送っていました。

甲状腺疾患を専門に診療活動を行う伊藤病院のHPによりますと、「バセドウ病」とは甲状腺ホルモンが過剰に作られる状態である甲状腺機能亢進症を起こす代表的な病気です。

発症すると、「多汗、暑がり、疲れやすい、心臓の動悸、体重減少、眼球突出、食欲亢進、下痢など便通の異常、けん怠感」など様々な症状が現れるといいます。また、発症が長期にわたると、不整脈や心不全のリスクも高まるといわれています。

ロンドン五輪、リオ五輪の競泳バタフライで銅メダルを獲得した星奈津美さんは、2006年、当時16歳の時にバセドウ病を発症。通学時、駅のホームまでの階段で息切れや動悸を感じたそうです。

「休憩しないといけないくらい息切れがすごくて何かおかしい」

母の真奈美さんと一緒に病院に行き、精密検査を受け、「バセドウ病」であることが判明。しかし当時は練習の疲れなのか、病気の疲れなのかの判断ができなかったといいます。

「五輪出場を目指し、メダルを目指してやっている中ではもちろん追い込むことも必要。でも追い込みすぎると今度は疲れすぎてストレスで病気が悪化しやすかった。これは病気の症状で疲れているのか、(練習で)息切れがして脈拍が速いのか、競技をしているとそこが分かりづらかったし、自分でどこまで限界までやっていいのかを見極めるのが難しかったです」

甲状腺ホルモンの分泌を抑える薬で調節しながら競技を続けるも、症状が悪化。2014年に甲状腺摘出手術を決断しました。手術から1か月ほどたってから練習を再開し、翌年の世界選手権では金メダル、2016年のリオ五輪では銅メダルを獲得しました。

多様な症状のため、気づきにくいといわれるバセドウ病。

自分も競技の疲れとの判別が難しかったからこそ、「5月25日の世界甲状腺デー」が誰かがこの病気に気づくきっかけになればと話します。

「とにかく普通に座って休んでいるときとか、運動したり急いで走ったりしているわけでもないのに脈拍がすごく高いなと感じたりとか、そういうことがあるとちょっと気にした方がいいかなと思います。何もしていないのに(手や指が)小刻みに震えたりとか、私の場合まぶたが腫れたりしたので、少しでも気になったら病院に行って検査を受けてほしいと思います」

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5月25日は「世界甲状腺デー」。
2008年に欧州甲状腺学会が「甲状腺の健康、甲状腺疾患治療の進歩の認識と理解を促進するための日」として制定しました。

星さんは少しでも多くの人に「バセドウ病」について知ってもらいたいと、5月25日にはSNSで自分の体験を発信するなど、継続した啓発活動を続けていきたいと話しています。
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