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【競泳】鈴木聡美の史上最年長での挑戦 ロンドン以来のメダルへ「とにかく全力 200%の力を出せるようにしたい」

2024年7月28日 6:00
【競泳】鈴木聡美の史上最年長での挑戦 ロンドン以来のメダルへ「とにかく全力 200%の力を出せるようにしたい」
ロンドン五輪でメダル3つを獲得した鈴木選手(写真・左:YUTAKA/アフロスポーツ)、代表選考会では3冠でパリ五輪出場を決めた(写真・右:日刊スポーツ/アフロ)
競泳競技のオリンピック日本代表として史上最年長の33歳でパリ五輪に出場する鈴木聡美選手。2大会ぶり3回目の出場となりますが、今年3月の代表選考会では平泳ぎ100m、200m、非五輪種目の50mも含めて平泳ぎ3冠を達成する強さを見せつけての代表内定でした。

もっとも、この舞台に戻ってくるまでは長い道のりでした。

鈴木選手が一躍脚光を浴びたのは12年前、山梨学院大学4年時に出場した2012年ロンドン大会の時です。女子平泳ぎの100mで銅メダル、200mで銀メダル、そして女子400mメドレーリレーでは平泳ぎの第2泳者を務め、日本の3大会ぶりのメダル獲得(銅)に貢献。日本の競泳女子選手ではオリンピック史上初の1大会で3つのメダルを獲得したのです。大会後、東京・銀座で行われたメダリストパレードでは、1、2を争う人気選手として注目を集めました。

しかしその後「どこかに慢心があったのかもしれません」と鈴木選手が振り返るように、ケガやコンディション調整がうまく噛み合わない時期が続きます。2016年のリオ大会には100m平泳ぎで出場権を獲得しますが、本大会では準決勝落ち。次の東京大会は代表選考会で敗れ、出場権を逃すことになります。

3年前は年齢もちょうど30歳を迎える年。このまま競技を続けるかどうか悩むなか、山梨学院大学時代から指導を受ける同大監督の神田忠彦コーチ、トレーナーの方々に「体は問題ない。まだいけるよ。タイムが上がらないわけがない」と励まされ、現役続行を決めます。

もっとも、自分自身の泳ぎの型へのこだわりが強かったゆえ、長年、神田コーチが考える泳ぎとの間にギャップがありました。しかし、鈴木選手はここで心機一転、「変化なしに進化はない」という神田コーチの言葉を素直に受け入れ、より水泳に取り組むようになります。

その取り組みが結果に結びついたのは2023年に故郷・福岡で行われた世界水泳選手権でした。50m、100m平泳ぎに出場し、100mでは2009年以来、実に14年ぶりに自己ベストを更新し、決勝に進出。18歳の時に出した記録を32歳で超えることは、特にトップレベルの100m以上の種目では驚異的な偉業とも言えました。

鈴木選手はさらなる成長を遂げるべく、2024年に向けて200mの準備も進めていきます。持久的な要素が日々の練習で求められるため、かなり厳しい挑戦ではありましたが「私は不器用なんで全部やってみて体に感覚を覚え込ませるしかない」と10歳以上若い学生選手たちに負けじと共に練習を重ねていきます。

そしてむかえた今年3月の代表選考会で100m、200mの両種目で、2017~2023年に行われたオリンピックと世界選手権の準決勝10位相当を目安に設けられた厳しい参加標準記録を突破。優勝を果たし、パリ行きの切符をつかみました。

パリ五輪に向けては、多くの有力選手が海外合宿を行うなか、慣れた環境の国内でじっくり調整を続け、レースで最もスピードが出るスタート、ターンの動きを改善も含めて、準備してきました。

そして、パリでの目標には「自己ベストの更新」を掲げます。パリオリンピック出場選手の資格記録リストを見ると、鈴木選手は100m平泳ぎでは11番手(1分05秒91)、200m平泳ぎでは13番手(2分23秒09)。しかし、100mは1分05秒44から91までは9人と混戦模様です。メダル獲得という12年前の再現に期待もかかりますが、そうした状況からも鈴木選手は「まずは自分の泳ぎに集中すること(自己ベスト更新)が良い結果(順位)を生み出すと考えています」というスタンスで臨みます。

「とにかく全力、200%の力を出せるようにしたいです」という鈴木選手がどのような泳ぎを見せてくれるのか。楽しみです。


鈴木選手が出場する種目のスケジュール(パリオリンピック公式HPより)
◆競泳女子100m平泳ぎ(日本時間)
 予選  :7月28日 18時
 準決勝:7月29日 4時10分
 決勝  :7月30日 4時25分

◆競泳女子200m平泳ぎ(日本時間)
 予選  :7月31日 18時
 準決勝:8月1日 4時51分
 決勝  :8月2日 4時4分

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