由伸が語る亀井前編HRは「最初に打って」
21日、プロ野球・巨人の亀井善行選手が現役引退を表明しました。チームメートとして、さらに監督と選手として共に戦った高橋由伸さんが日本テレビの独占インタビューに応じ、亀井選手とのエピソードを語りました。その前編です。
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――亀井選手の引退発表がありましたが、由伸さんはいつどのように知りましたか
本人から連絡があったのは2週間前ですかね。電話が鳴って「(報道が)ちらほら出ちゃってるんですけど…」みたいな話で電話がかかってきました。
今年なかなか本人の中ではコンディションがよくならなかったり、プレーに関しても自分の思うようなプレーがなかなかできないというような話をしていて、「でも最後までチームに頼られたというのはよかったじゃないか」という話をしました。
「今けがで離脱しているので最後の方に間に合うのか」という質問をして、「何とか(引退セレモニーが予定されている)23日ぐらいには行けそうなんで、そこに合わせて美容室行ってきます」というような答えだったので、「そうだな、切りたてよりちょっと時間が空いた方が、感じがいいんじゃないか」という話をしました。
――引退と聞いてどう感じましたか
どこでユニホームを脱ぐかというのは、それぞれの考え方があると思うんですけど、亀井選手は自分の中でなかなかプレーができていないという中でもチームからはずっと頼られていたわけですし、自分で、今年でユニホームを脱ぐと自分で決められたということは本当に幸せなことだと思います。
「まだできるんじゃないか」というところでやめるのも、先日の松坂投手のように本当にボロボロになるまでやるのも、どっちも正解だと思っています。自分がやり切ったというところでやめられるというのは選手として幸せなことなんじゃないかと思います。
20日、中井(大介選手・DeNA)が引退して、亀井選手も引退して、自主トレを共にした選手が全員ユニホームを脱ぐということでさみしさも少しあります。
亀井選手に関しては、若い頃から一緒に過ごしてきた選手でもあり、さみしい思いもあるし、自然なことかなとも思います。
最後までチームに頼られて、自分で「ここまでだ」と決められて、本当に幸せな選手生活だったと思うし、そんな亀井選手だからどの道に行っても頑張ってほしいなと思いますし、現役生活17年、僕より1年足りなかったですが、お疲れさまということですね。
――チームメートとしても監督と選手としても関係がありますが、亀井選手のどんなところが頼れるのでしょうか
入ってきたときはまだきゃしゃでしたが、バッティングも思い切りがよかったし、守備の方も強くて守備の勘もよかったので、レギュラーにはなれそうかな、というのはありましたが、僕と同じでけがが多かった。思ったように戦い切ったというシーズンはなかなかなかったかもしれません。
数字という部分では悪かったわけではないですけど、数字というよりも一つ一つのプレーだったり劇的な一打であったり、印象に残るプレーヤーだというふうに選手としても見ていました。
監督としても、マギーが連続敬遠された後に3打席目でしたっけ。サヨナラホームランを打ったりと、何かそういうところで回ってくるというか、そういう選手というふうに感じていましたね。
――敬遠後のサヨナラホームランのシーンを改めて振り返ってください
「最初に打ってくれよ」と思いました。(笑)
3回も同じように回ってくるのは運もあるなと思いました。ベンチにいる方は、2度あることは3度あったら嫌だなと思いながら、でもやっぱり何とかしてくれるのではないかと思っていたし、ホームに帰ってきてから「すみません」というし、「お前ほんとだよ」って思いながら、めぐりめぐった場面がよく回ってくる選手だなと思いました。