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鷹・工藤監督退任会見「今は少し抜け殻」

2021年10月27日 20:47
鷹・工藤監督退任会見「今は少し抜け殻」

27日、プロ野球ソフトバンクの工藤公康監督が退任会見を行いました。工藤監督は7年間で日本一5度・リーグ優勝3度という輝かしい実績を残しました。

会見では「幸せな7年間を過ごすことができて、野球人として、たくさんの方々に支えていただいたことを、ここに感謝申し上げたいと思います」とまずは感謝の言葉を述べた工藤監督。

退任の理由については「今年、僕自身も覚悟を持ってきました。結果が悪ければ責任を負うのは監督。今年の成績は正直、僕自身の力のなさだと思っています。今年の成績が僕の実力と思い、ここで改めて足りないところ、力のなさを実感し、責任を取るのが何より大事と思い、今日、ここに至りました」と語りました。

以下、主な質疑応答

――今の率直なお気持ちは?

「何か、今は少し抜け殻のようになっている感じがあります」

――決断はいつ頃?

「最終的には決めたのは10月のはじめです」

――千賀(滉大)投手や甲斐(拓也)選手ら育成出身が大きく羽ばたき、若い選手たちも成長していきました。その姿に、何を思いました?

「彼らが頑張っている姿を見るだけで、なんだか幸せになれました。苦しい時、つらい時もあったと思う。千賀くんは6年連続2桁勝利を達成。過程は大変だったと思うが、プロ野球選手として素晴らしい実績を残せたと思います。それがまた次の力につながると思う。ずっと続けられるように、そして長く現役生活をできるようにしてほしいです。甲斐くんも143試合すべてに出て、やっている途中はつらいことも悩んだこともあったと思う。でも、やり終えた後は自分自身の成長も実感できたと思う。今後もこれを続けたいと思った時に、来年の課題も前向きにとらえることができる。それをつないで組み立てていき、最後に良い現役生活だったと思えるんです。僕は何より大事だと思います。彼らが悔いを残さず、素晴らしい野球人生を送ってくれれば、僕はそれだけで幸せです」

――王貞治会長の存在とは?

「僕の現役時代に、選手の前でも常に『監督室を開けているからいつでも相談に来なさい』と言われていた。相談に行ったことも、呼ばれたこともありました。その言葉通りの行動をしてくれる。監督といえども、独断でそんな簡単にすべてを変えることはできない。それでも相談に行ったらすぐに応えてくれていました。気持ちの沈んでいた選手が、笑みを浮かべて、やる気を出して監督室を後にしていました。監督としての器の大きさ、人としての器の大きさを感じていました。僕もそうなりたいと思ってやったけど、7年間やって難しいなと実感しています。もっともっと近づけるように、勉強していきたいです」

――支えになったものは?

「僕にとっては選手がすべて。一番は選手に支えられていると思います。先ほども申し上げたように球団の方、警備やグラウンドキーパー、食堂などで働く皆さんも、すべての方が僕の支えであり、僕の活力でした。頑張ってくれているその人たちのために、自分は精いっぱい頑張らないといけないと思っていました。また、この2年で特に感じるのは、ファンの声援がいかに選手の力になっていたか。無観客の時、元気がないんです。見てもらう中で、野球をやる。それをプロ野球選手が一番大切にしないといけない部分だと改めて感じました。最後に言おうと思っていましたが、ファンの皆さんには心から感謝を申し上げないといけない」

――プライベートでやってみたいこととか?

「僕はアウトドアが好き。九州を転々としながらキャンプをして、いろんなところに行って、いろんな景色を見たい。まだまったく予定は立っておりませんけど(笑)」

――今後のホークスに期待すること

「選手には、1年でも長く野球をやってほしい。また、ホークスは常に勝たないといけないチームです。勝つためにやっぱり努力し続けないといけない。プレッシャーもあるでしょうし、耐えなくてはいけない時もある。苦しい中で試合をやり続けないといけない時もある。でも、その先に勝った時、その喜びはすべてを帳消しにしてくれるんです。選手が頑張ることで、どれだけの人に勇気と希望を与えられるか。プロ野球選手はやりがいのある仕事です。自分のためには力を出せない人は、支えてくれる人たちのために笑顔を届けたいと考えて見れば、違う力を発揮できると思う。一人一人が信念を持ち、たくさんの人の思いを背負って、戦い続けてほしいです」

――最後にファンの皆さんへ

「皆様、7年間私のことを支えていただき、声援をいただき、心から感謝を申し上げます。ありがとうございました。僕自身は力があると思っていません。選手に、そして周りに支えられました。そして一番の心の支えはファンの皆さんでした。試合に勝って報告する時、ワクワクして皆さんの前に出られるのが何よりうれしく、それをいつも思って監督をしていました。ただ今年、こういう結果になったのも私自身の力が足りなかった結果です。また来年以降、ホークスは強いチームを必ず作ってくれると思います。だけど、7年間で少しでも皆さんの思いをかなえられたのなら、僕自身は幸せでした。コロナでファンの皆さんと一緒に戦えなかった時期は僕らも苦しかったけど、ファンの皆さんの方が球場に来られずにつらかったと思います。テレビやラジオの前で声援を送ってくれたと思います。その期待に応えられなかったのは申し訳ありませんでした。でも、これからもホークスを支えていただき、熱い思いを届けていただきたいと思います。これからもホークスのことをよろしくお願いします。そして私のことを7年間支えていただき、ありがとうございました」

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