錦織圭×高橋由伸 次世代選手への指導
テニスの錦織圭選手(31)とプロ野球解説者の高橋由伸さん(46)の対談が7日の「news zero」で放送されました。
今回、錦織選手は次世代選手の育成をテーマにしたイベント「UNIQLO LifeWear Day 2021 -テニスとサステナビリティ- with 錦織圭」で全国大会優勝経験者を含む9人のジュニア選手を指導。
印象的だったのは、一人ひとりに合わせたアドバイス。左利きの選手には「レフティーのスライスはいやらしい、オレからすると。もっとスライスを練習するといい」と自身の経験を通しながら、伸ばした方がいいところを指摘していました。
高橋さんは対談の前にこのイベントも取材。錦織選手の指導方法を見て、「プロ野球選手の指導をしていると、とにかく悪いところばかり見ていて、直さないといけないイメージが出てくる。“いいところを褒める”と“ここを変えると良くなる”があるので、子どもたちにとっては普段の何倍もいい練習をしていると思う」と話しました。
錦織選手は子どもの頃、プロテニスプレイヤー松岡修造さんが指導する「修造チャレンジ」に参加。プロからのアドバイスが才能の開花につながりました。対談では、錦織選手の指導への強い思いが見られました。
高橋)今回、子どもたちにどういった思いで指導されていたんですか?
錦織)“自分の背中を見てほしい”ところがあって、僕も小さい頃、日本のプロの方にクリニックに来てもらって、そこで得たものはすごく大きかったんです。
修造チャレンジに参加して12歳の時ぐらいに、そこで“世界に行く”ということを教えてもらった。そのファーストステップがすごく大事だと思うし、自分も関われたらうれしいなと思います。
高橋)いずれは錦織チャレンジみたいな…
錦織)ははは(笑)。修造さんと一緒にやるか、自分で考えてやるか。小学生、中学生の時に大きな経験をさせてあげたいと思います。
高橋)世界で戦っている錦織選手から、子どもに伝えられることは何ですか?
錦織)まずは楽しんでほしい。楽しむことの重要さは大人になると気づきます。どこかのタイミングで辞めたい思う時もあるかもしれないけど、うまくなってくると“楽しいことが波のように来たりする”。つらい時期を乗り越える大切さは小さい頃に学んでおくといいかもしれないです。
そして、話は錦織選手の話題へ。2019年には右ひじを手術するなど、度重なるケガにも苦しんできた中、錦織選手はテニスへの情熱はまだあると語りました。
錦織)辞めたいと思ったことはない。『つらい、面倒くさい、嫌だな』はあるけど、『辞めたい』はギリギリない。手術という言葉が出てきた瞬間とか、1回はかなり沈みますけど、なんだかんだ返ってきますね。テニスをまたやりたい気持ち、情熱がまだあるので。
高橋)野球はやりたくてもやれないこともある。個人スポーツは自分の意思がほとんどで、そういう違いはどうですか?
錦織)やりたくてもやる場がないのは一番つらいですね。そういう面ではラッキーというか、タイミングを選べるのはいいですけど、衰えたから辞めるのは一番寂しいですね。
東京五輪で自分のテニスの感覚が戻ってきたという錦織選手。32歳で迎える来シーズンの抱負は。
「自分が例えば1位になったら、みんなも1位になれる、と思うきっかけになると思うんです。それがテニスの普及、強化に一番近道だと感じるので、まずは自分が精いっぱい頑張りたいです」