不破聖衣来 “笑顔”で大学駅伝を締めくくる 6人抜き区間2位の力走で拓殖大学最高の4位に貢献
■1年生で出場した全日本で“衝撃デビュー”も...相次ぐケガで苦しんだ4年間
3年前、当時1年生の不破選手は、全日本大学女子駅伝で衝撃デビュー。エースが集う最長9.2キロの区間で28分00秒の区間新記録を打ち立てます。同年12月には、初挑戦の10000メートルでも、学生記録である30分45秒21の驚異的な記録をマーク。そして富士山女子駅伝の5区では10人抜きで32分23秒の区間記録をつくりました。
しかし、大学入学当初から貧血に悩まされ、さらに並外れた走力に身体が耐え切れず、故障にも苦しむ日々が続きます。去年は全ての大会を欠場しました。
「走れるようになったと思うとケガ。自分には走る資格がないんじゃないか」
そんな思いを胸に抱えていたといいます。
それでも今年4月には、約1年半ぶりとなるレースに復帰。本調子にはほど遠い記録でしたが、心の炎は消えませんでした。
■最後の大学駅伝は笑顔で締める
5月の関東インカレ10000メートルでは、33分40秒20を記録し、入賞に迫る9位。10月の全日本大学女子駅伝では、エース区間の5区で30分21秒と区間7位の走りをみせます。12月にはエディオン ディスタンスチャレンジ2024で10000メートルを走り、33分19秒05のタイムを記録。順調にレースの機会が増えていました。
そして、迎えた富士山女子駅伝。この大会は相次ぐケガで1年時以来、3年ぶりとなる出走でした。
仲間から笑顔でタスキを受けると、序盤からハイペースを刻みます。10位で受けたタスキを4位まで押し上げる、6人抜きの力走。区間賞を獲得した大東文化大学の留学生サラ ワンジル選手とは、わずか6秒差の区間2位の走りで、大学駅伝ラストランを終えました。
チームは6区で不破選手と4年間歩んできた門脇奈穂選手(4年)が区間5位でつなぐと、前回7区区間賞の新井沙希選手(3年)が3位の日本体育大学まで3秒差に迫る力走で、総合4位。大学の過去最高成績でした。
大会後には名城大学の主将・谷本七星選手ら、他大学の同学年の選手たちと写真撮影をした不破選手。笑顔で大学駅伝を締めくくり、次のステージへと向かいます。