【高校サッカー鹿児島全力応援】受け継いできた“ピッチ外”での活動「鹿児島城西」を応援したい5つのこと
1.第一線で活躍できる人材
創立97年を迎える鹿児島城西。J1ヴィッセル神戸の大迫勇也選手などプロサッカー選手を数多く輩出しています。ちなみに宮崎県代表として3大会連続で選手権全国大会に出場する日章学園とは系列校です。
サッカー部以外でも、2023年U20アジア陸上選手権800m優勝の立迫大徳選手や、ゴルフの稲森佑貴プロ、元プロ野球選手の細山田武史さんなど、多くの分野の第一線で活躍する人材が巣立っています。
2.8年ぶりの王座奪還 “半端ない”戦いぶりを
1993年創部の男子サッカー部は8大会ぶり8回目の選手権出場。87回大会では大迫勇也選手(当時高3)が1大会最多得点の10得点を記録し全国大会準優勝。対戦相手が試合後に発した「大迫半端ないって」も印象的でした。
しかし、2016年に3連覇を果たして以来、選手権全国大会出場がなく、過去7大会のうち5大会で準優勝。挑み続けた8年目で県予選7連覇中の神村学園の牙城を崩しました。
大迫選手にちなみ名付けられた「半端ない人工芝サッカー場」で練習する鹿児島城西が目指すのは“半端ない”のさらに上、選手権全国大会初優勝です。
3.宿敵は世代屈指のタレントぞろい 挑み続けた8年間
11月に行われた全国高校サッカー選手権鹿児島県大会決勝。相手は、鹿児島大会7連覇中で、夏のインターハイ準優勝を果たした神村学園でした。
試合は開始直後から神村学園が決定機を迎えますが、鹿児島城西の守護神・藤吉純誠選手が何度も立ちはだかります。
0対0で迎えた後半37分、鹿児島城西は添島連太郎選手が右サイドの福留大和選手へパス。福留選手は縦に仕掛けてゴールライン際でグラウンダーのクロスをあげて、最後は17歳以下日本代表のエース大石脩斗選手が押し込みゴール。
この1点を全員で最後まで守り切り、鹿児島城西は8年ぶりに王座を奪還しました。
4.応援される愛されるチームを目指す「This is JOSEI」
「ピッチ外の活動をここまで信じているのは城西だけ」そう語るのは鹿児島城西のキャプテン藤吉選手。
鹿児島城西では「応援される愛されるチーム」を目指し、朝の挨拶運動や清掃活動を毎週行っています。新田監督は「ピッチ外活動での人との関わりが人間性を高め、仲間や相手へのリスペクト、プレー、すべてに繋がる」と話します。
選手権地区大会では、2年生8人がスタメンに名を連ねることが多く、選手や3年生の不満が大きかったと言いますが、キャプテン藤吉選手の声掛けなどでチーム一丸となりました。それも日ごろの活動がもたらした成果かもしれません。
5.1番・キャプテン 立ち上がった蒼き守護神
鹿児島城西の守護神はキャプテンでもある藤吉純誠選手。チームが苦しいときに率先して声掛けを行うなど、精神的支柱の役割も担います。
選手権地区大会でも素早い反応と読みの深さで対戦相手の決定機に何度も立ちはだかりました。ただ、今年の夏、高校総体・県予選の決勝などで敗戦が続き「敗因は自分。サッカーをやめたい」と母親に吐露した時もあったと話します。
「今までサッカーを“やめたい”と思うことはなかった。あの時のことを思い出すと苦しい。逃げ出したかった」
藤吉選手の言葉を聞いた父親は、福岡の実家からすぐに鹿児島に向かい、藤吉選手に「やめたいならやめていい。逃げたいなら逃げていい」と優しく言葉をかけたと言います。
しかし、「こんなにも支えてくれる人がいるのに自分がここでくじけてはいけない。仲間が全国に行くチャンスを自分が崩したのだから逃げ出すわけにはいかない」
家族の支えによって再び立ち上がった藤吉選手。県予選決勝では神村学園の猛攻を幾度となくファインセーブでしのぎ、チームを全国へと導きました。
心に期すのは、次なる全国の舞台での躍動です。
鹿児島城西の初戦は12月29日に行われる金沢学院大学附との1回戦。8大会ぶりの出場となる蒼きイレブンに注目です。
(取材・文 高校サッカー選手権民放43社/鹿児島読売テレビ)