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【高校サッカー全力新聞】群馬・前橋育英「リバウンドメンタリティで2度目の頂へ」

2023年12月27日 7:00
【高校サッカー全力新聞】群馬・前橋育英「リバウンドメンタリティで2度目の頂へ」
“リバウンドメンタリティ”で2度目の頂点を目指す前橋育英
12月28日に開幕する第102回全国高校サッカー選手権大会。群馬県代表の前橋育英は、29日の1回戦で島根県代表・立正大淞南と対戦します。今回は、前橋育英の注目選手を紹介します。

■「伝統のボランチ」は今季のチームも健在

前橋育英は群馬県大会、3試合で10得点2失点。今大会もボールを保持しビルドアップして攻める伝統のパスサッカーで県大会を制しました。

その起点となるのが、篠崎遥斗選手(3年)と石井陽選手(2年)の「ダブルボランチ」。前橋育英のボランチといえば、細貝萌選手(J2群馬・元日本代表)や田部井涼選手(J2岡山)など、数多くのJリーガーを輩出しているポジションです。

背番号14番の篠崎選手は「長短のパスを蹴り分け攻撃にリズムをもたらすボランチ」です。前チームからトップチームに帯同していましたが、去年10月に右膝の半月板損傷で手術、半年間の戦線離脱を余儀なくされました。

篠崎選手は、「焦りもあったが、(ケガの)前よりフィジカルを強化してチームに復帰しようと、毎日リハビリに取り組んだ」と話します。前回大会はケガでピッチに立てなかった悔しさを胸に、攻撃をけん引します。

一方、背番号7番の石井陽選手は「守備を得意とするボランチ」です。ボールの出所を的確に予測したポジショニング。158cmと小柄ながらも相手に体を寄せボール奪取、相手の攻撃の芽をつみとります。

また、山田耕介監督からリーダーシップを高く評価される石井選手。下級生ながら、複数失点を喫するとすぐさま選手たちを集め「もっと気持ちを前面に出そう」と鼓舞します。「3年生に悔いを残してほしくない。そのためにも自分が要所で体を張る」と意気込みます。

■「リバウンドメンタリティ」で2度目の頂へ 前橋育英

今季のチームを象徴する言葉は、逆境やピンチをはね返す“リバウンドメンタリティ”です。

日常的に精神力の大切さを選手たちに話す山田監督。選手権群馬県大会を控えた9月~10月のプレミアリーグで3連敗を喫した時に、改めてその大切さを伝えたといいます。

選手たちの気持ちの強さが磨かれ、群馬県大会の準決勝では、2点ビハインドから逆転し勝利。ピンチでも屈しない姿を見せつけました。

キャプテンの雨野颯真選手(3年)も、「最近は難しい試合も勝ち切れるようになった」と手応えを感じています。

前橋育英は直近2大会連続で準々決勝敗退。逆境に屈しないタイガー軍団が、2度目の全国制覇をかけた船出を迎えます。

(取材・文 高校サッカー選手権民放43社/群馬テレビ)