【箱根駅伝】「強い東洋を取り戻す」狙うは表彰台 2本柱で黄金時代再来の幕開けへ
エースの松山和希選手(4年)は、「自分の将来の夢はずっと箱根駅伝を走ることだと掲げてきた。大学に入る前くらいから、よく数えてみたらぴったり100回じゃないかということに気づいて、運命的だなと思って。走るべくして将来の夢を自分で選んだんじゃないかと感じました」と記念すべき大会への思いを語ります。
■「強い東洋を取り戻す」 チームをまとめた日常生活の改善
東洋大学は第85回大会で初の総合優勝を果たすと、6年間で4度の総合優勝を遂げる黄金時代を築きました。第90回大会以降、優勝からは遠ざかっているものの、前回大会は総合10位に入り、18年連続でシード権を獲得しています。
第100大会に向けて酒井俊幸監督が掲げたスローガンは「3番以内 強い東洋を取り戻す」でした。就任15年目の今シーズンを、原点回帰の年と位置づけた酒井監督。「やはり上位に返り咲きたいのはまず一つです。そして100回という記念の大会に鉄紺の足跡を残していきたいなと。それが101回大会以降にもつながっていくんじゃないかなと思います」と、今大会の重要さを語ります。
黄金時代を再来させるために取り組んだのは、日常生活の改善でした。その中心としてチームをまとめているのが、寮長の熊崎貴哉選手です。熊崎選手は「食事の席とかも学年ごとに決まっていたんですけど、それを取り払って学年関係なくしゃべって食べるように」と具体的な改革を行ってきました。その結果「日常生活からコミュニケーションという部分はよくとれている」と感じています。
■復活のカギは梅崎蓮と松山和希の2本柱
強い東洋を取り戻すために、柱となる選手は2人います。3年生の梅崎蓮選手と4年生の松山選手です。
梅崎選手には主軸としての走りが求められます。1年生の時から出場し、前回大会では9区で区間4位の走りを見せました。
梅崎選手は「シード争いで走る大学ではないので、今回は結果を出さないといけない」と近年の東洋大学の位置づけに言及。本大会に向けて「そこはしっかり今年こそはという思いで、みんなで頑張っています」と意気込みました。
そして、東洋大学復活へのカギを握るのは、エースの松山選手です。松山選手は1年時から2年連続で2区を走り、区間5位、区間4位と活躍しました。しかし、前回大会は故障で欠場し、悔しい思いをしていました。
松山選手は2区への強いこだわりを見せます。「1年生の時、思いがけず急に走ることになった区間ではあるんですけど、いざ走ってみて、誰にも譲りたくない区間、2区ならではの面白さ、楽しさを譲りたくないという気持ちが自分の中では大きいですね」と最後の箱根駅伝でもエース区間を走る意欲を示しました。
箱根駅伝の歴史に名を刻んできた東洋大学。節目の年での復活を目指し、箱根路を駆け抜けます。鉄紺のたすきが表彰台に返り咲くことはできるでしょうか。