【開幕直前】ロアッソ熊本 今季にかける思い 大きな課題の"資金力"にはどう対応
創設21年を迎えたロアッソ熊本。指揮を執るのは、就任6年目の大木武監督です。J3優勝、J1昇格プレーオフ、天皇杯ベスト4など様々な実績を上げてきた大木監督。指導する上で一番大切にしているのが…。
■大木武監督
「プレーしろと言っています。要するに転んで倒れて起き上がれないんじゃなくて、一回やって終わるんじゃなくて、とにかく90分間プレーしてほしいってこと」
その熱い思いは、選手にも届いています。新しいキャプテンに選ばれた、地元・熊本出身の岩下航選手。幼い頃から見ていたロアッソで、サッカー人生初めてのキャプテンを務めることになりました。開幕に向けて、チームの仕上がりは上々だといいます。
■岩下航キャプテン
「みんなで攻撃して、みんなで守備して、誰もサボらないチームに今年もしていきたい」
長年掲げてきたJ1昇格の目標をなかなか達成できない中、岩下選手が今シーズンの課題に挙げたのが。
■岩下航キャプテン
「勝ち切る力。いい試合しても、勝てないと意味がない。去年もすごく痛感しているので、 勝ち切るところっていうのが、本当の一番上にいくところだと思う。今年は何としてでも試合に勝つ」
開幕に向けて士気が高まるチームを支えるのが、運営会社のアスリートクラブ熊本です。藤本靖博社長は、親会社の存在を持たない"市民クラブ"としての資金力が課題だといいます。
■アスリートクラブ熊本 藤本靖博社長
「ロアッソよりも後にJリーグに参入したチームであっても成長スピードが早い。ロアッソは置いていかれている、追い抜かれている。やはり環境は重要。そうするとやはり、もっともっと大きな資金が要るのが今の課題」
例えば開幕戦の相手、Vファーレン長崎はジャパネットホールディングスが親会社。Jリーグによりますと、Vファーレン長崎の2023年度の人件費は17億9900万円で、3億2600万円のロアッソの5倍以上。有力選手獲得にかけられる資金力の差は歴然です。
しかし、藤本社長はロアッソにも強みがあると話します。
■アスリートクラブ熊本 藤本靖博社長
「熊本の一つの強みの中に、協賛先が500社あるんですよ。親会社がしっかりしている会社の協賛企業というのは、せいぜい40~50社。うちは10倍持っているわけです」
協賛先とのつながりを深めながら、観戦チケットに新たな付加価値をつけるなど、事業の柱をさらに太くしたい考えです。
■アスリートクラブ熊本 藤本靖博社長
「大勢の方にロアッソは支えられていると思うと胸が熱くなる。この人たちに笑顔になってもらいたい」
選手、監督、チームがひとつになって、今シーズンも戦い抜きます。
■岩下航キャプテン
「プレシーズンを通して、開幕戦で長崎に勝つことだけを考えてやっている。開幕戦は長崎であるので、みんなで長崎を倒しましょう」
■大木武監督
「ワクワクするようなゲームをしたい。それを楽しんでほしい。最後は笑って終わるようにします。ぜひ応援してください」