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高校最後の夏へ「ぶちかませ!」芦北高校たった一人の相撲部員 ことしも全国へ

2024年6月14日 20:38
高校最後の夏へ「ぶちかませ!」芦北高校たった一人の相撲部員 ことしも全国へ
林田大和選手(芦北高校)

熊本県立芦北高校の相撲部にたった一人の部員がいます。高校最後の夏に挑む選手に密着しました。

己の力を一気に解放する「ぶちかまし」。激しいぶつかり合いは、まさに力と力の真っ向勝負!相撲の魅力に惹かれ、練習に精を出す高校生がいます。

芦北高校3年の林田大和選手です。身長1メートル67センチ、体重70キロ。去年、軽量級で出場した高校総体では熊本県と九州で優勝し、全国でも5位でした。

■林田大和選手
Q相撲の魅力は?
「大きい相手を倒すことに魅力を感じる」
Q得意とする相撲は?
「自分のスピードを生かして横から攻める相撲が得意」

林田選手が練習しているのは芦北トレジャー相撲クラブです。元々、祖父の孝敏さんが指導者だったこともあり、4歳から相撲を始めました。

■祖父 孝敏さん
Q当時の印象は?
「俺から逃げ回っていた。相撲を強制的にさせるイメージがあったのかな。とにかくまじめで、今は練習も休みなく来てくれるし、ひと安心」

現在、在籍する高校生は林田選手1人ということもあり、立ち合いの練習相手は監督やコーチ陣がつとめます。

本田監督に林田選手について聞くと。
■本田貴紀監督
Q林田選手の持ち味は?
「低い形から相手の懐に入って技をかけたり、力もあるのでしっかり前みつを引いて一気にもっていく」

まわしの腹部にあたる、前みつ。この部分を引き寄せることで相手の上体が起き、力が入らなくなったところを一気に持っていきます。

練習では後輩の練習相手をすることもある林田選手。後輩たちにとって、どんな先輩なのでしょうか?
■戸田勇翔選手(中3)
「技術面のまわしの切り方や引きつけがとても強くて、尊敬する」
■竹本都輝選手(中1)
「相撲の素早さや、みんなに対する優しさが尊敬する」

練習は週6回。ハードなスケジュールに耐える体を支えるのが、食事です。普段、どれくらいの量を食べているのでしょうか?
■母 沙織さん
「1食につき3合」

林田選手の1回の食事がこちら。3合のご飯に、肉や野菜、果物など6皿。夕食の後は3、4キロ体重が増えますが、翌朝には元に戻るそうです。ちなみに、お昼の弁当も米3合分です。お母さん曰く「ふたが閉まらない」とのこと。おかずもたっぷりです。

Q家ではどんなお兄さん?
■妹 都さん
「先頭に立って引っ張ってくれる」
■妹 心遙さん
「休みだからって遅く起きんなって感じです(笑)」

練習も食事も一切妥協しない林田選手。今年も負けられない戦いが待っていました。6月1日に開かれた県高校総体。今年の軽量クラスは3人がエントリー。緊張の初戦、前に出る相撲で相手を押し出しで勝利。続く2戦目も同じく相手の懐に入り最後は足をかけて押し倒し。今年も、全国行きを決めました。

芦北高校の相撲部員は今、林田選手1人だけです。学校での様子を聞きました。
■芦北高校 草野貴光校長
「相撲で活躍している姿は見せないで、落ち着いて学校生活を送っている」

高校受験の時には強豪校から誘いもありましたが、林田選手は地元に残ることを決意しました。

■林田大和選手
「監督、コーチや家族、そして地域の皆さんが応援してくれているので、芦北町を相撲で盛り上げられたらと思って頑張っている」

林田選手は農業科の専攻で果樹を選択しています。実習においては、誰よりも勤勉だということです。

周りの応援も力に変え、再び全国大会へ挑む林田選手。軽量クラスとはいえ、林田選手の「ぶちかまし」はどれほどの衝撃なのでしょうか?現役キックボクサー兼KKTドライバーが体験することに。

■中尾好伸ドライバー
「かわいがってあげようかなと」

(実況)
さぁ、前代未聞の現役高校生対ドライバーの対決!相撲も運転と同じ、落ち着いて安全に取り組みたいとドライバー中尾、いったい、どんな勝負になるのか⁉

「はっけよい、のこった」

身長差15センチ、体重差は40キロ以上。中尾ドライバーは粘りを見せましたが、林田選手が勝利。

■林田大和選手
「強かったので、ちょっと本気になってしまった」

最後に全国大会の目標を聞きました。

■林田大和選手
「ひとつでも多く勝って、入賞できるようにがんばりたい」

今年も、熱い挑戦が始まります。

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