×

世界パラ陸上が開幕!愛媛からパリめざす期待のランナー 藤原由奈選手、強さの秘訣

2024年5月17日 18:59
世界パラ陸上が開幕!愛媛からパリめざす期待のランナー 藤原由奈選手、強さの秘訣

17日、神戸で開幕した世界パラ陸上競技選手権大会。愛媛からパリを目指す2人の選手が出場します。女子1500m、知的障がいのクラスに出場する注目のランナーに密着しました。

愛アスリートクラブ 藤原由奈選手:
「最大目標は自己記録更新」

午後6時。県総合運動公園で最終調整を行う藤原由奈選手、21歳。神戸で開幕した世界パラ陸上競技選手権大会の女子1500m、知的障がいのクラスに出場します。

藤原選手:
「小さいころから走ることが好きで自分の中学校が駅伝とかで好成績を残していて、 それに憧れて私も何か活躍できたらいいなと思って」

高校時代から本格的にとり組み…監督も驚く勢いで成長

高校入学と同時に本格的に陸上競技に取り組んだ藤原選手。すると、才能が徐々に開花します。

去年11月には世界パラ陸上の派遣標準記録、5分03秒を突破。今年3月に行われた代表選考会では2位となり、見事世界パラ陸上の日本代表入りを果たしました。

愛アスリートクラブ 宮崎靖監督:
「愛媛から世界大会、日本を代表する選手を育てることが夢で、クラブを創設して、こんなに早く世界に行ける選手が出るとか正直思っていなかった」

監督も驚くほどの勢いで、世界で戦うレベルにまで成長した藤原選手。強さの秘訣は―。

「決めたことはとことんやり抜く」監督や上司がみる藤原選手は

宮崎監督:
「一生懸命って2つ漢字があるじゃないですか、一生、生きるというのと、一つの所と書く、あの両方ともが当てはまるずっと何事にも頑張れる選手だし、一つのことをとことん真面目にやり続けられる選手」

「合計タイム書いたり、天気とか練習場所とか体調とかを書いている」

藤原選手が毎日欠かさず書いているという練習日誌。自分の状態や練習結果などを記録し、競技力向上のために見返します。その大切なノートも、今では13冊目です。

宮崎監督:
「知的(に障害のある)選手というのは自分の思いを言葉に書くということがすごく難しい。でも由奈さんは一日も書かない日はないと思う。それくらい真面目というか一つ自分が決めたことはとことんやり抜く、だから長距離選手としてはもってつけの性格」

藤原選手の性格を高く評価するのは、宮崎監督だけではありません。

ミウラジョブパートナー 仲村定樹専任課長:
「真面目に黙々と業務あたってもらっているので すごく頼りになる」

職場の上司です。

藤原選手:
「今梱包作業をしています」
Q.終わったらほかの作業をする?
「そうですね、パソコン作業とかをしています」

三浦工業のグループ会社に勤務する藤原選手。毎朝、仕事場までの片道およそ4キロを自転車で通勤して、一つ一つの作業を丁寧にこなしています。

藤原選手:
「性格的には几帳面なので自分にあっている感じがする。丁寧に作業したりとか」

仲村専任課長:
「毎日午後4時に終わって練習にも励んでいるというのは 時々話で聞いたりするので、業務面もですけど競技の取り組みも同じように真面目にされているのではないかなと思う」

勝負はラスト300mにある 世界の舞台を思い浮かべながら

宮崎監督:
「タイムは少し上げました。この前の練習結果から予定は86秒、85秒だったが 1秒ずつあげて、最後由奈さんは あがるので82秒まで。チャンレンジメニューです」

この日の練習は変化走。

藤原選手:
「イーブンペースだったり、最初はゆっくりいってそのあとちょっと上げるみたいな練習です」

世界大会での“かけひき”を想定しての練習です。

宮崎監督:
「一般の選手と違って、(藤原選手は)変化にとても弱いので、あえて変化を練習のメニューに組み込んで、何があっても常に対応できる順応力をつけたい」

藤原選手が「苦手」という練習。チームメートと共に乗り越えます。練習終盤、300mでラストスパートの感覚を養います。

宮崎監督:
「彼女の一番の強みというのはラスト300mにあるので、そこでは彼女が日本一の走りを するんじゃないかと思う。前半うまく走れたらラスト300mで結果に結びつくと思っている」

藤原選手:
「(ラスト300mは)最初から全力で行きました、結構きつかったです。少しイメージはついた感じがする」

この夏、パリで開幕するパラリンピックの代表選考会を兼ねている今大会。いつもそばで見守るお母さんも娘の活躍を全力でサポートします。

母・佳代子さん:
「しっかり練習もできているし、今回は日本での開催ということで時差ぼけとか水が合わないとかの心配をしなくて済むので、本当に体調を整えて今の実力を十分に発揮してもらえたらと思っている」
藤原選手:
「頑張らなきゃなと思います」

大会には走り幅跳び・視覚障がいのクラスでのパラリンピック出場を目指す、松山市出身の石山大輝選手も出場予定。

藤原選手が出場する女子1500m、知的障がいのクラスは22日の午後7時20分、スタートです!

    南海放送のニュース