公務員から野球選手に転身した早川太貴(くふうハヤテ) 静岡から描くドラフト指名の夢
静岡のプロ野球チーム「くふうハヤテベンチャーズ静岡」に所属する、江別市出身・早川太貴投手24歳。
ウエスタンリーグで現在4勝を挙げています。
2023年まで北広島市役所に勤務し、公務員として働きながらクラブチーム・ウイン北広島に所属し、最速150キロのストレートを武器に、2023年のドラフト候補として注目。
当時、早川投手はこう語っていました。
(早川投手)「どこのチームでも(プロに)行こうと思っていますけど、一番はファイターズに入りたい想いはあって、エスコンフィールドでお世話になった人たちの前で活躍している姿を見せたい」
しかし、期待して迎えたドラフト会議でしたが、早川投手の名前が呼ばれることはありませんでした。
(早川投手)「やっぱり悔しいのは悔しいし、来年はなんとしてでも選ばれたい気持ちが強くなりました」
2024年こそドラフトで指名されるため、早川投手はある決心をしました。
今シーズンから新たに作られた静岡のくふうハヤテに入団。
1軍を持つ12球団入りを目指し、若手選手やプロの1軍で活躍した選手が所属。
早川投手はトライアウトを受け合格し、北広島市職員を辞め、より厳しい環境に身を置くことを決断しました。
(早川投手)「今年はドラフトでかかることしか考えていない。ドラフトで指名していただけるように頑張ろうっていう思いしかないです。ここで結果を残せればプロで通用すると思ってもらえる一番いい環境だと思う」
2024年こそドラフト会議で指名されるため、新たなステージで臨んだ今シーズンでしたが、プロ初登板となった3月15日のオリックス戦では4回7失点で敗戦投手となり、プロの厳しさを痛感。
さらに給料も、安定した公務員時代に比べ減少。
生活面でも厳しい日々を送ることとなりました。
そんななか、ある人からの助言が早川投手を変えました。
それが、元北海道日本ハムファイターズ・オリックスバファローズに在籍していた中村勝投手コーチ。
タイミングを外すスローカーブで2014年に8勝をマーク。
プロの打者を抑えるノウハウを教えたと言います。
(中村勝投手コーチ)「(早川投手は)全体的に速い系の変化球が多いので、バッターの間をずらす点ではカーブが有効の球になるんじゃないかなと」
(早川投手)「どういう練習したかっていうところで、カーブだったらちょっと離れたところからキャッチボールの中で少し距離をとって、そこでコントロールの練習をしていたっていうところで、僕も実際取り入れたりして良くなったかなと思います」
強いまっすぐと球速差のあるカーブを武器にプロのバッターを翻弄。
3月22日の阪神タイガース戦では7回無失点に抑えプロ初勝利を挙げると、続く3月31日広島東洋カープ戦では9回1失点で完投勝利。
さらに、4月7日のオリックスバファローズ戦でも勝利投手となり3連勝。
現在(※7月29日)4勝を挙げ、くふうハヤテ先発陣の柱に。
さらに7月20日のフレッシュオールスターにも出場。
MVPを獲得したヤクルト・橋本星哉選手から三振を奪うなど、1イニングを無失点で抑え、存在感を示しました。
(早川投手)「ストレートの強さを活かして、その後変化球とか緩急をつけたらバッターも崩れてくれるので自信になったし嬉しかった」
すべては2024年のドラフトで選ばれるため、早川投手の夢をチームメイトも応援しています。
(中村勝投手コーチ)「現時点ではすごく僕目線では順調に来ていますし、いいアピールできているんじゃないかなと思いますね」
(福田秀平選手(元ソフトバンク、ロッテ)「早川がドラフトにかかって、一軍で投げている姿を見たい」
(早川投手)「自分がハヤテからドラフトにかかるのが一番の恩返しだと思いますし、しっかりとドラフトまでに結果を残して今年はなんとしてでも指名されたい」
仲間からの期待を背負い、2024年のドラフト指名に向けアピールを続けます。