秋田市の太平山三吉神社で「けんか梵天」とも呼ばれる冬の伝統行事・三吉梵天祭が、19日、行われました。
毎年1月17日に行われますが、運営側の人手不足などもあり、今年は初めて日程を変更しました。
伝統を受け継ぐための試みに、境内は例年以上ににぎわい、男衆が梵天を威勢よく奉納して、地域の今後の繁栄を祈りました。
秋田市で江戸時代以前から続くとされる、三吉梵天祭。
男衆が、地域の今後の発展を祈りながら、梵天を掲げて町内を練り歩きます。
梵天には、五穀豊穣や家内安全、無病息災など、様々な願いが込められていて、地域の人たちは、毎年この祭りを待ち望んでいます。
今年は、地元の町内会や企業など52の団体が梵天を奉納しました。
祭りはこれまで、曜日に関わらず毎年1月17日に行われてきました。
ただ、地域に根付いたこの祭りにも、高齢化の波が。
準備や片付けを担う運営側の人手不足を理由に、今年は初めて日程を変更して、日曜日に合わせて開催されました。
天気にも恵まれた19日、日曜日とあって、境内は例年以上のにぎわいを見せ、多くの人が梵天の奉納を見守りました。
力の神様がまつられている、三吉神社。
奉納する順番を競い合う“先陣争い”が激しいほど願いが叶うといわれていて、その様子から「けんか梵天」とも呼ばれています。
奉納が終わると、三吉神社の奥宮がある太平山を仰ぎ見る場所に、55本の梵天が掲げられました。
参加者
「うちの町内見れば分かるんですけど、『頑張れ能登』を入れたんですけど、去年おととし意外と災害も多かったので、秋田も含めて、それが今年は無事に何もないようにっていうことで、町内のことも一番ですけど、すべてを込めて今回は奉納させていただきました」
「（日曜開催で）見に来てくれる人たちもすごく増えていて、俺たちの力になるし、いつも以上に力が入って頑張りましたけど、いいんじゃないですかね、はい」
「（おととし）秋田市は水害に見舞われましたけども、みんなの祈りとか願いとか、そういうのも込めて奉納したので、これから秋田市が発展してくれたらなと」
「祭りを行う人と見てもらう方、やはりバランスって重要だと思いますので、日曜日の方が盛り上がるのかなっていう気はしましたね」
運営に携わった人の数も、今年は約40人と、水曜日に行われた去年の24人から大幅に増え、祭りは最後まで滞りなく終えました。
太平山三吉神社 田村泰教 宮司
「日程を変更した中で、まずは大きな事故とかけががなく無事終了できて、本当に安どしております」
「お祭りもなかなか続けていくのが本当に難しい時代になっておりますので、本質的な部分をしっかりと守りながら、時代に合わせた形で、お祭りを細く長く続けていけるように頑張りたい」
来年の1月17日は土曜日、再来年は日曜日にあたるため、三吉神社は例年通りの日付で祭りを行うことにしています。
