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市街地で銃を使ったクマなどの駆除を可能に 鳥獣保護管理法の改正案が閣議決定 市街地でのクマ対策の強化へ

2025年2月21日 18:00
市街地で銃を使ったクマなどの駆除を可能に 鳥獣保護管理法の改正案が閣議決定 市街地でのクマ対策の強化へ

政府は、市街地で、銃を使ったクマなどの駆除を可能にするため、鳥獣保護管理法の改正案を、21日、閣議決定しました。

県内では、去年、秋田市のスーパーにクマが入り込み、捕獲から搬出まで2日以上を要しました。

法改正によって、クマが建物内に長時間留まるケースなどで、迅速な対応が可能になります。

政府は、今年の秋までに、実務を担う市町村の体制を整え、市街地でのクマ対策を強化する方針です。

浅尾 環境相
「本日の閣議で、鳥獣の保護および管理、ならびに狩猟の適正化に関する法律の一部を改正する法律案が閣議決定されました」

21日に閣議決定された、鳥獣保護管理法の改正案。

人の生活圏に現れ、危害を及ぼす恐れが多い動物を「危険鳥獣」と定め、住民の安全が確保できることなど、一定の条件を満たせば、市町村長の判断で、ハンターが猟銃を発砲する「緊急銃猟」ができるとしています。

「危険鳥獣」は、ヒグマやツキノワグマ、イノシシを想定していて、必要に応じて、私有地への立ち入りを可能とすることや、銃弾が建物に当たるなどした場合、市町村が補償する規定も設けられます。

担当 川口大介 記者
「現行の法律では、市街地での発砲だけでなく、建物の中の発砲も禁じています。実は、麻酔銃も同じ条件下での発砲が禁じられていたことから、今回の法改正によって、差し迫った危険が生じる前の予防的な対応や、迅速な対応が可能になります」

「2019年、鹿角市十和田大湯では、市街地に現れたクマに対応していたハンターが襲われました。現行の法律では、まさに人が襲われるという緊急事態に、警察官の命令を待って発砲するしか手段がありませんでした。法改正の検討会で、警察庁の担当者は『本当に緊急の場合にならないと撃てず、ハンターにとっても、警察官にとっても非常に危険だと考えており、警察庁としてもぜひとも是正をしてほしい。ハンターの判断で発射ができる範囲を拡大していただくのがいい』と発言していました」

「一方で、法改正によってハンターの責任が重くなるのではという懸念について浅尾大臣は、『市町村の事務として実施することを明確化していて、ハンター個人の責任は生じない』と述べたあと、去年、鹿角市を視察したことを引き合いに、次のように述べています」

浅尾 環境相
「私自身も昨年、秋田県に出張いたしまして、出動したハンターが壁があったので、銃は持っていたけれども、その時には発砲ができずに、結果としてクマに押し倒されて、中指と薬指の先を欠損した方の話も伺ってですね、法改正の必要性についてよく認識しておりますので、ハンターは免責され、被害を防げる体制をつくれるのは、大変意義のある法改正だと考えています」

鳥獣保護管理法の改正案は、今の国会に提出され、環境省は、市街地へのクマの出没が増える秋までに、市町村の体制を整え、市街地でのクマ対策を強化する方針です。

最終更新日:2025年2月21日 18:41
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