クマ対策で市街地での猟銃使用 条件付きで可能に 環境省の専門家会合 歓迎の一方で不安の声も 県内関係者
クマによる人への被害対策として環境省が設置した専門家会合は8日、市街地での猟銃の使用を条件付きで可能とする新たな対処方針をまとめました。環境省は次の国会で法律の改正を目指す方針です。クマへの対応にあたる県内の関係者からは、歓迎の声の一方、不安の声も聞かれました。
市街地で猟銃が使えるようになるのは「大型の野生動物による人への被害が生じる恐れがある場合」や「クマなどが建物に入り込んだ場合」などです。
環境省は次の国会で法律の改正を目指す方針です。
また、改正に向けて考慮すべき点として、猟銃を向けた先に人がいないなど、発砲できる状況や条件を整理すること。自治体や警察で事前にマニュアルを作成し、訓練を行う体制を構築することなどを挙げています。
こうしたなか、湯沢市ではクマの出没を想定した訓練が行われました。
県自然保護課 近藤麻実さん
「囲んでしまえばクマも必死にどこかへ突破して逃げなきゃいけないから、とにかく近づかない。囲わない。ということです」
地元の猟友会や市の職員など約40人が参加した訓練。市街地にクマが出没した場合の対応方法などを確認しました。
現在の法律では市街地にクマが出た場合、猟銃を使えるのは警察官が命令した場合などに限られています。今回の法律の見直しについて参加者は。
地元の猟友会関係者①
「鉄砲にカバーしたままで追いかけるのはナンセンス。自分で使用の判断が出来れば自分の責任になるとは思うけれども、緩和されることはすごくいいのではないかと思います」
地元の猟友会関係者②
「自分はやりたくない。責任がどこにあるかまだ明確にされていないし、我々も確実にそれが実行できる自信が無い。もし失敗した場合、誰が責任を取るのか、そこをはっきりさせて欲しい」
法律の改正に向け環境省は、万が一事故が起きてしまった場合、自治体からの要請で猟銃を使ったハンターに不利益が生じないよう責任の所在を明確にすることにしています。