【大雨被害】記録的短時間大雨情報も 浸水や土砂崩れ 各地で被害相次ぐ 秋田県
県内は、25日夜から北部を中心に断続的に雨が降り、五城目町と上小阿仁村、それに北秋田市に、記録的短時間大雨情報が発表されました。(26日午後6時現在)
猛烈な雨で、住宅の浸水や橋の陥落、それに断水などが相次ぎました。
大雨の被害の範囲がさらに広がっています。
県内は、断続的に雨雲が流れ込み、記録的な大雨となっています。
気象庁は、25日夜、相次いで記録的短時間大雨情報を発表しました。
五城目町と上小阿仁村で、それぞれ午後9時50分までの1時間に120ミリ以上、北秋田市南部で、午後10時までの1時間に約100ミリの雨が降りました。
一夜明けた上小阿仁村の五反沢地区では五反沢川の水があふれ、道路や田んぼがすっぽりと水に浸かり、湖のような状態になっていました。
茶色く濁った大量の水が道路に次々と流れ込み、流木なども押し寄せていました。
上小阿仁村によりますと、この地区を含む5つの地域が断水していて、復旧の見込みは立っていません。
また、県道の土砂崩れで、上小阿仁村の八木沢集落の6世帯9人と、萩形ダムの職員1人が孤立状態になっているということです。
おととし8月にも大雨による被害があった仏社地区では、地区を流れる仏社川の水位が上がりました。
橋が崩れ、集落に大量の土砂や流木が押し寄せました。
あふれた川の水は、住宅の敷地にも流れ込み、地域住民が後片付けに追われていました。
取材した男性の車の中にも水が入り、泥だらけになっていました。
「ここまで来ないだろうっていう気持ちではいたとこなんですけど、結局車も浸水して水没してしまって、建物の方も一部床上まで上がっちゃって、おととしよりは被害どうなんだろうなってくらい、同じくらいの被害出てるかもしれない」
この家にある農作業小屋にも泥が流れ込みました。
26日は、JAの職員が地域を回り、農家の被害状況を確認しました。
収穫後に保管していたジャガイモは泥だらけに。
小屋には1メートルほどの高さまで水が入ったあとがありました。
「もう今回は水の勢いがすごかった。あっという間に。いつもだったらコンバインなんか出してあったのよ。トラクターも出してみんな避難してあったんだけど、今回はそういう余裕が全然なかった。水上がってきて」
26日朝から断水している仏社地区。
午前10時半ごろに給水車が到着しました。
上小阿仁村では、断水が解消するまでの間、毎日給水車を派遣して対応することにしています。
午前7時半ごろ、北秋田市阿仁の国道105号は土砂が流れ込んでいました。
全面通行止めになり、引き返す車も。
国道285号でも土砂崩れが発生し、上小阿仁村と五城目町の間でいまも通行止めが続いています。
秋田内陸線の阿仁合駅近くにある薬局には、側溝からあふれた水が流れ込みました。
店舗と住宅は10センチほどの高さまで水に浸かりました。
この場所に店を構えて70年。
初めての浸水被害に、店を営む渡部勝美さんは、午前2時半ごろから水のかき出しを続けていたと言います。
「10年に一回っていうじゃないですか、10年に一回のために土のうを置いておくっていうのは考えもんだなって思って。でもこのままではだめだよね。これを教訓になんとかしたほうがいいよねとは思っている」
北秋田市阿仁水無地区では、土砂崩れが発生。
大量の木や水などが流れ込み、住宅裏手ののり面が崩れる被害がありました。
一夜にして風景が一変した、県の北部。
大雨の大きな爪痕が残されています。