浸水被害に遭った町内も 復興への願いを込めて“けんか梵天”
境内でのもみ合いの激しさから“けんか梵天”とも呼ばれる秋田市の冬の伝統行事、三吉梵天祭が行われました。去年7月の記録的大雨で多くの住宅が浸水被害に遭った“町内”は復興への願いを込めて梵天を奉納しました。
17日朝、太平川のほとりに秋田市の広面町内会を中心とした行事の担い手が集まりました。去年7月の大雨で自宅が床上まで水に浸かったという人も少なくありません。
まず向かったのは浸水被害にあった高齢者施設です。被害から半年余りが経った今も施設の一部は使えないまま復旧のための工事が続けられています。
太平川が氾濫しあたり一面が水に浸かった広面地区。いまだ、大雨の被害が目に見える形で残っています。神が宿るとされ、地区を清める役割を担う梵天をかかげて練り歩き厄を払いました。
最後に向かうのは太平山三吉神社。まつられているのは力の神、勝負の神です。これにあやかって梵天を奉納する順番を競い合う先陣争いが激しいほど願いが叶うとされています。
押し合い、もみ合う男たち。熱気に包まれる境内。けんか梵天と呼ばれるゆえんです。
仕切り役・川邉弘幸さん「まだ復興もしきれてない人もいるので、みなさんがまず無事復興に進んでいけたらなと思います。」
広面町内会長・川辺英勝さん「まず今年はあと何事もないようにこの梵天に祈るばかりです。」
三吉神社の奥宮がある太平山を仰ぎ見る場所に掲げられたおよそ60本の梵天。復興への願いと平穏への祈りを込めた梵天が奉納されました。