【昭和100年 映像館⑩】“鶴舞公園の動物園”
昭和が誕生してから2025年で100年。欧米に追いつけ追い越せの激動の時代にたくさんの映像を残したカメラマンがいました。そのカメラマンがレンズ越しに見た昭和の貴重な映像を紹介します。第10回目は、大正7年に開かれた「鶴舞公園付属動物園」の様子です。昭和6年頃撮影。
文明開化とともに欧米の文化を積極的に取り入れた日本。動物園もそのひとつでした。日本初の本格的な動物園「恩賜上野動物園」が明治15年(1882)に開園。その後、京都、大阪、名古屋と(市営)動物園が開園されました。大正7年(1918)に「鶴舞公園付属動物園」が開園。その起源は、明治23年に開設した「今泉動物園」(私設)と言われています。娯楽の少なかった時代。多くの人たちが訪れました。
【作品解説】
スイングするシロクマと動物園の看板。ここは、鶴舞公園内にあった動物園(大正7年(1918)4月~昭和12年(1937)3月まで)。動物園の看板には、人気者だったゾウが描かれています。鶴舞公園は、明治42年(1909)に名古屋市が初めて作った都市公園です。中央本線の下には、開園当時、時の総理大臣桂太郎の筆による扁額が飾られていました。昭和5年(1930)に完成した名古屋市公会堂。鶴舞公園は、多くの人たちが集う場所として賑わいました。その一角に作られた動物園は、明治23年(1980)に解説した「今泉動物園」から動物が寄付され、大正7年(1918)に「鶴舞公園付属動物園」が鶴舞公園の南西に開園。また、動物園の一角には、「子供の國」が併設されました。今では見慣れた遊具でも当時としては珍しく、子どもたちに大人気でした。
【参考文献】
・東山動植物園HP「東山動植物園の歴史」
・名古屋市史 第10巻
【協 力】
・東山動植物園
・鶴舞公園
【撮影者】
・横井湖南氏:名古屋生まれ 1910年~1957年
昭和の初め、映画の楽しさや奥深さを伝えた映像作家の草分け的存在
【映像提供】
横井克宜氏