【戦時下の性被害】歴史のタブーを語る95歳の女性 満州“黒川開拓団”の真実(2020年9月5日放送)
開拓団として満州にわたり戦争で犠牲をしいられていたという女性たちがいます。生きて日本に帰るために性的な接待を強いられ犠牲となった一方、町の人はその犠牲を隠そうとしました。
岐阜県郡上市にで暮らす佐藤さん(当時95歳)は女性たちの苦しみや嘆きを絶対に忘れてはならないと訴えます。
1932年日本が事実上の植民地としていた満州に、佐藤さんは移住。日本軍が不当に安く買いとった家に住みすでに耕やされていた広大な畑でアジア人労働者を率いて作物を作る日々を過ごしていました。政府が満州に開拓民を送りこんだ狙いは、大陸で戦う日本軍の食糧増産。その裏で「満州国」の支配、防衛という軍事的な目的もあったとされています。
1945年、敗戦間近の8月ソ連が満州に侵攻。敗戦が決まると中国人など現地の人が家や土地を取り返そうと一部が暴徒と化し襲ってきたといいます。
集団自決も脳裏をよぎる中、団の幹部が出した答えは、侵攻してきたソ連兵に守ってもらうという選択でした。その見返りは女性。
これまでタブーとされてきた歴史ですが、黒川開拓団の遺族会は、女性たちの犠牲の上で多くの人の命が救われたと認めて敬意を表し今まで認めてこなかったことを正式に謝罪しました。
佐藤さんは「どんなことがあろうともわたしなんか恥ずかしい思いもしたし1歩間違えば死ぬ境を通ったのに口をつぐっていてはだめ」「歴史や体験で悔しかったことであろうともしゃべって残していくのが人間の社会の歴史じゃないですか」と語った。
【2020.9.5 放送】