【特集】今は亡き娘とともに “小児脳腫瘍”への理解促進図る チャリティーテニス大会開催 集まった支援金などは治療研究に
テニスが大好きだった女の子がおととし、小児脳腫瘍で亡くなりました。病気について広く知ってもらおうと、女の子の父親がチャリティーテニス大会を初めて企画し、県内外から多くの少年少女が集まりました。
コートの上を軽快に動き回り、ラケットを振る選手たち。25日に福井市内で開かれた小中学生のテニス大会。
この大会を企画したのは越前市の佐治昌弘さんです。
■佐治昌弘さん
「小児がんを取り巻く環境の進展に役立つ活動をしたいと思っていたけれど、それを行う上で娘が大好きだったテニスを通して、一人でも多くの人に知ってもらうことが第一の目的で開催した」
佐治さんの一人娘りりかさんは、テニスで全国大会に出場するほどの腕前の持ち主でしたが、高校1年の時、脳に腫瘍が見つかり、おととし19歳の若さで亡くなりました。
脳腫瘍を含む小児がんについて理解してもらおうと、「Ririka Cup」と名付けたチャリティーテニス大会には、県内外からおよそ100人が参加しました。
試合と並行して、プロテニスプレーヤーによるレッスンも行われ、全日本選手権の優勝経験もある本村剛一さんが指導にあたりました。
■本村剛一さん
「普段生活できていることが当たり前じゃないというか、毎日感謝して、元気よく生活してほしいなという思いもあって佐治さんもこういう大会を開いたと思うし、僕もコート上ではみんなと楽しくプレーをしたいなという気持ちで今回はやっている」
りりかさんが中学生の頃から親交のあった本村さん。亡くなった後もりりかさんに毎朝メッセージを送り続けています。
■本村剛一さん
「RirikaCup2日目だし『きょうもお願いね』っていう感じで」
大会は2日間の日程で行われ、佐治さんの思いは参加した小中学生にもしっかりと届いていました。
■U14男子優勝者
「千葉県から来ることで、小児がんのことを全国に広めていって、こういう活動をしていると広めていきたいと思った。大会を通して、小児がんの子たちにエールになっていれば良い」
■佐治昌弘さん
「りりかがやったんだと思う。私は肉体のない彼女の肉体となって動いてきたような、本当にそんな感覚。きょうはずっと隣にいたと思います」
「最低でも10年は(大会を)やりたいと思っているし、小児がんに対する啓発がより魅力的な形で伝えられる内容にしていきたい。この輪を大きくしていきたい」
企業・団体からの支援金や参加者からの募金など、大会を通して集まった金額は350万円以上。佐治さんは小児がんの治療法や薬を開発する研究機関に寄付することにしています。